数日前の皆既月食にスーパームーン。今月の満月は新しくエネルギーが大きく切り替わる大事な節目だったらしい。

　そんな日の翌日、マンハッタンには珍しい大きな虹がかかった。まるで両手を広げて街全体を包み込んでいるかのような虹。さっと現れ、さっと消えていった幻想的なその虹をみて、世界は、わたしたち人間は、やっぱりみんなひとつでつながっているんだという確信がなぜか持てた。

　ここのところ、一気にニューヨークのエナジーが変わった。まるで眠りから覚めたモンスターのようだ。街が、人がまた動き出した。完全復活の兆しだ。今までの「静」から「動」へと転換し、また今までのニューヨークの空気感が戻ってきたことを肌で感じる日々がとても嬉しい。いや、戻ったのではない。新生、ニューヨークがスタートしたのだ。まさにNew Yorkの「New」だ。

　一気に「動」のエネルギーに切り替わったなかで今大切にしていることは自然との触れ合い。大地とつながってしっかりグラウンディングをしていないと吹き飛ばされそうな勢いだ。毎朝、太陽の光を浴び、ハドソン川沿いのバイクレーンをサイクリングしたり、公園へ出かけたり、創作のあとヨットセーリングへ出かけることもある。

　裸足になって大地とつながる。芝生の上にごろんと横になり空とつながる。ああ、自然とつながることの気持ちよさよ。しずかに目を閉じ、深呼吸をして自然から生きるエネルギーをもらう。

　何があっても、日々、太陽がのぼり、樹々は成長し、花が咲き、美味しい空気があり、水が流れ、時が流れている。

　自然界がそっと教えてくれる一期一会の日々。

　コロナで1年を過ごし、あたりまえのしあわせに気づくことができ人生観ががらりと変わった。今、この瞬間を生かされていることがどれほど尊い奇跡なのか。

　今日も無限に広がる青空を眺めながら、生きる喜びをかみしめる。

　ありがとう、ありがとう。