現在居候させてもらっている夫の実家には、義母が飼っている犬が3匹います。種類はたぶんミックスで大型の狩猟犬のヴァンダル(オス)、アラスカンハスキーのアスピン(メス)、そして種類はよくわからないけどちょっとマルチーズに似た見た目の小型犬クローイー(メス)が仲良く暮らしています。仲良くと言っても、この3人(あえて3人と呼ぶ)は、お互いが全く干渉し合わないし、喧嘩もしない、我が道をゆくタイプ。犬種も全く違いますが、こんなにも性格が違うのかというほど、三者三様です。
まずは大型犬のヴァンダル。名前の意味「略奪・蛮行」からして、子犬の頃はきっと相当ないたずらっ子だったのかと想像しますが、コイツは本当にマイペースでイージーゴーイング。ごはんの時間になっても催促しないし、ごはんの準備をしてても、他の犬は待ちきれずに興奮している中で、さながら「くれるならもらうけど(←本当はめちゃくちゃ嬉しい)」と、無関心を装いつつも遠くから嬉しさを隠せずソワソワ。でも庭に放しているときは、狩猟本能からか、よくネズミなどの小動物を狩ってしまっている様子。普段はのんびりだけど実はアグレッシブなヴァンダルです。
つづいて、アラスカンハスキー(犬種ではなく犬ぞり用に交配された、まあいわゆる雑種)のアスピン。ハスキーの血筋からか青い目をしています。ハスキーと言えば人懐っこいイメージですが、アスピンの場合は人懐っこいを通り越して、もはやストーカー。我が家には母屋のキッチンからそのまま続く、第二のリビングのような(パティオのような?)部屋があり、その部屋が犬たちの部屋になっているのですが、その部屋に用があって行くたびに、「かまって!かまって!なんかくれ!なんかくれ!」と、人の後をついてまわるのがアスピンです。
犬の部屋のドアはガラスばりになっていて、キッチンに誰かがいると、アスピンはドア越しからお得意の上目遣いで、ジットリとこちらを見つめてきます。いやほんと、そのジト目やめいっ!!「へぇ~その美味しそうなものアタシにはくれないんだ・・・」
とでも言っているような、「嫉妬の演技」がお見事で、綺麗な青い目で見つめてこちらの罪悪感をくすぐります。そんな大女優アスピンに、私は「主演女優賞」というニックネームを授けました。
そして、小型犬のクローイー。ちょっと臆病だけど、慣れればとても人懐っこいい可愛いヤツです。でも最初は、私とクローイーには少し距離がありました。1年前に私がここを訪れた時には、実はもう1匹小型犬がいました。その子の名前はギズモ。残念ながら去年死んでしまったそうなのですが、まだギズモが生きていた1年前、ギズモとクローイーは、私と初めて出会った瞬間、めっちゃ吠える吠える、いやもう噛み付く勢い、いやちょっと噛んだ?!(服の裾を)。そのときは短い滞在だったので、手懐けて仲良くなる時間もなく、さよならしました。
そういう経緯もあったので、今年クローイーに会ったとき、また吠えられるのかなあ・・・と心配していたら、吠えることもなく逆に距離を取られました(汗)。ギズモがいなくなってしまったので、一緒に吠えてくれる人がいなくて、臆病になっていたのでしょう! ところが、ヴァンダルやアスピンは、会っていきなり私に対して「大好き」アピールしているのを目の当たりにしたクローイーは、「あ、大丈夫な人なんだ!」と気づいたらしく、手のひらを返したように、まるで催眠術から覚めたように、さっきまでビビって距離を取っていたくせに、一瞬でスイッチを切り替え、私に飛びついて顔を舐める勢い。なんという変わり身の早さよ、クローイー。初対面の時、ちょっと噛んだのも忘れて、まわりの意見に流されて「大好き攻撃」を開始した、とても可愛いクローイーです。
猫派の私ですが、個性的なワンコたちに日々癒されています。
フロリダ生活雑記 No.7
WotaNeko
ハワイ9年、フロリダ在住0年のグラフィックデザイナー。マンガ・アニメオタクの日本人妻。夫も同じ趣味を持つプエルトリコ人。夫の実家の大家族と同居中だが、引っ越したら猫が飼いたい。