早いもので、もう9月となりました。「もういくつ寝るとお正月」ではありませんが、あと11回月曜日を迎えるとお待ちかねのサンクスギビングです。ついこの間2023年が始まったような気がしていたのに、時が経つのははやいものです。いつかのコラムで、人生は円錐、つまりはカラーコーンのような形をしていると書いたことがありました。一年を一周として、生まれたときを底、人生の終わりをてっぺんとすると、子どものころの一年は長いのですが、だんだん年を重ねていくにつれ一年が短くなっていく。人生の終わりを迎えるころにはきっと、一瞬で一年が終わってしまうように感じるのではないか、と。今年30歳の節目を迎えた私も、その理屈を身をもって体験しています。
早いもので、というと、このコラムもなんと10年も書いていることになりました。このシリーズの前、私がまだ日本にいたころから続けさせていただき、飽きっぽい私にしては本当によく続いたものだと思っています。もう20年近く前、小学校の卒業文集には、文章を生業とする仕事に就きたいと夢を語っていました。今のところ生業とはいえませんが、新聞にこんなにも長い間載ることができて、あの頃の夢はかなったと言ってもいいと思います。文章を書く専門的なトレーニングを受けたこともなければ、天性のセンスや才能があるとは言えない私ですが、書きたいものを書きたいまま書かせていただけたこと、きっとこれからどんなに「一周」が短くなっても忘れることはないでしょう。
突然のお知らせとなりますが、このコラムをもって私は日刊サンコラムニストを卒業いたします。卒業にあたり、アイドルの卒業コンサートに匹敵するような、皆様を感動の涙で溺れさせるようなコラムを書いてみたかったのですが、いつも通りゆるりぬるりになってしまいました。当初のコンセプト通り、「皆様の暇つぶしに」ちょうどよい幕引きになったと自負しております。
これまでご愛読くださった皆様、本当にありがとうございました。引き続きハワイのどこかに生息し、おいしいものを食べ、たまにはインスタグラム(@kaoru_days)も更新していきますので、ぜひご覧ください。今までご愛顧、ご支援いただき本当にありがとうございました。これを読まれている皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
CAN OF ALOHA No.108
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_days をご覧ください。