最近、私の相棒とも言えるiPhoneが調子が悪いのです。もうかれこれ4年半は使い続けているので、もしかしたら寿命なのかもしれませんが、指紋認証がうまくできなかったり、充電が一瞬でなくなってしまったり、カメラが起動できなかったり。画面も割れてしまっているし、そろそろ買い替えを検討しなければと思ってはいるのですが、愛着があってなかなか手放せません。もう修理するよりも、新しいものを買った方がいいと言われ続けていますが、なかなかその決心がつきません。
買ったときには最新の機能が搭載されていたこのiPhone8。たとえば、背景をぼかして写真が撮れる機能は2017年当時、他にはない機能として大人気でした。ところが、今となってはカメラ機能は格段にレベルアップし、背景をぼかすどころか、夜でもくっきりとした写真が撮れたり、本物の映画のような動画が撮れたりするようです。画期的だった指紋認証は今ではより精度の高い顔認証に、電子決済も当たり前のようにできるようになりました。その機能に比例してお値段も高くなっています。今では1000ドル超えが当たり前。おいそれとは買えない金額になってきました。毎日使うものだから多少は高くても、あるいは長い間使えばモトは取れるから、と考えてはいるのですが、それでもやはり大きな買い物です。
思い返せば、初めて「携帯電話」を買ってもらったとき、それはもちろんガラケーでした。物理ボタンに割り当てられた五十音を組み合わせてのメール。当時は同じキャリアでないと絵文字を送ることもできませんでした。自撮りができるインカメもなかったし、カメラを「写メ」などと呼んでギザギザぼやぼやの画質の写真を撮って……なんて、昔のことを語っていると歳がバレてしまいそうですが、そういう時代もあったのです。携帯電話を持っていない人も決して珍しくはない、そういう時代もあったのです。
ところがいまや、携帯電話、もといスマートフォンはもはや老若男女問わず生活必需品の一つとなっています。老若男女問わず、そして仕事でもプライベートでも、なくてはならない存在となっています。「若者はケータイ中毒だ」と憤慨していた世代も、なんなくスマートフォンを使いこなしています。時代は変わるのだなとつくづく感じるとともに、いつでも最新のものが欲しかった数年前の自分に想いを馳せてしまいます。
さて、今のところ私の相棒ちゃんは健気に頑張ってくれています。いつかはお別れの時が来るのでしょうが、それまでは大切に大切に使ってあげたいと思います。
CAN OF ALOHA No.80
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_days をご覧ください。