つい先日、かなり久々に風邪をひいてしまいました。このご時世、すわコロナかと思ったのですが、幸いにもそうではなく、ただの風邪ということで一安心。とはいえ、微熱とはいえ熱があったせいで頭はぽうっとするし、喉はイガイガ、ちょっと落ち着いたと思ったら追いかけるように滝のような鼻水。結局のところ、安静にしていたら一週間程度で治ったのですが、改めて健康に気をつけなければ、と思わされた出来事でした。
その間、さすがの私でも食欲はなく、喉が痛いうちはアイスクリームやゼリー、少し良くなってからは雑炊やスープが辛うじて喉を通る有様。体調が悪い中で買い物に行くのも気が引けたので、家にあった野菜や冷凍の肉を鍋に突っ込んで適当に味付けした「鍋もどき」には大変お世話になりました。日本ならコンビニですぐに手に入るであろうカップスープやレトルトのお粥が恋しくなりながら、食べられるだけ食べて、なんだか毒々しい色の薬を飲んで、とにかく寝る。そんな荒療治でなんとか治しました。
その割には体重に変化がなかったのが解せないのですが、健康の大切さと同じくらい、物を美味しく食べられることの幸せさを噛み締めました。
私の身の回りでも、同じ頃に体調を崩したという方が数名いらっしゃいました。各自違う症状ではありましたが、年始年末の疲れがどっと出てきたというのが共通見解。ドタバタしている最中はその使命感や責任感で乗り切り、それが落ち着いた頃にふっと緩んだ瞬間を体は見逃さなかったのでしょう。思い返すと、私も年明けから色々と忙しく、日々を乗り切るので精一杯という過ごし方をしてしまっていました。
私の生まれ育った香川県(もしかしたら、もっと狭い範囲かもしれません)では、そのような疲れからくる風邪症状や心身の不調、体の痛みのことを総じて「けんびき」と呼んでいました。ちょっとローカルなクリニックに行くと、お医者さんまでもが「それはけんびきや」なんて言っていたものです。標準語にこのニュアンスをうまく訳せないのが残念なのですが、私の中では今回の風邪騒動も、けんびきであることに間違いはなく、少しゆっくり過ごす時間をとろうと思っています。
もう2023年になってはや1ヶ月が過ぎようとしています。えっ、もう?なんて気持ちにもなってしまいますが、それをグッと抑えてのんびりまったり、心も体も元気な毎日を過ごしていきましょう。
CAN OF ALOHA No.94
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_days をご覧ください。