常夏のハワイとはいえども、やはり朝晩は寒くなるのが、いわゆる「冬」の時期ですね。日中は暑くても、一年の中では身体が冷えやすくなる時期です。暑い環境に住んでいても、裸足でいることや、冷房の環境にいることが多いと、冷えは案外身近です。また、膀胱炎などの症状は、ヴァータと呼ばれるエネルギーと関係があり、このような症状がある場合は、身体を温めた方が良いというサインです。
アーユルヴェーダでは、季節に沿ったケアを食べ物を通して行うということから、身体を温める効果のあるスパイスの一つ、「クローブ」についてお話しさせていただきます。
クローブはクリスマス時期のジンジャークッキーに使われていることがあります。冬に使うスパイスかな、という印象の方もいらっしゃるかもしれません。これは、理にかなっているんですよ。クローブは身体を温める効果があるからです。冬の寒い時期や、少し肌寒い日に、クローブは優しく身体に温もりを与えてくれます。
栄養価も見逃せません。クローブは、栄養学的には、ビタミンとミネラルが豊富です。アーユルヴェーダでは、消化を助ける力があると言われています。消化の調子が良いと、免疫を高めることができます。また、美肌作りにおいてもクローブは優秀です。抗酸化作用があるという理由から、ニキビを治す力があると信じられています。
インドでは、クローブのエッセンシャルオイルもあるんです。しかも、5000年前の書物に記載があるとのこと。クローブがいかに効果の高いスパイスであるかは、ずっと昔から認められていました。アーユルヴェーダでは、クローブのエッセンシャルオイルの香りは、神経を落ち着かせ、ストレスを軽減させると言われています。
時々クローブを使って、料理してみてください。クローブは、クミンと合わせてカレーに加えたり、シナモン、クミン、そしてクローブを使ってオートミールを作るのもおすすめです。
更に、注目したいのが、愛のこもったスパイスであるということです。クローブをアルファベットで書くと、clove、つまり、”c”を取ると”love”です。身体と心をどちらも満たしてくれる優秀スパイスです。
年末が近くなるにつれて、誰かと食事をする機会も増えるでしょう。これからの時期に、ぜひクローブを使ってみてください。自分だけではなくて、周りの人の心も温かくできますよ。
幸せ修行 No.276
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。
ウェブサイトはこちら。
