現代社会では、頭痛は「よくある」不調の一つかもしれませんが、アーユルヴェーダでは改善すべき身体からのサインです。今回は、体質別に頭痛の原因と対処法についてお伝えいたします。
アーユルヴェーダでは頭痛は3種類に分かれます。それぞれ、ヴァータ、ピッタ、そしてカパに由来する頭痛です。アーユルヴェーダは、地球に存在する五元素が体内にも宿ると捉えられますのでこの3種類は、五元素の中のいずれかが過剰になっている状態を表します。
まず、ヴァータタイプの頭痛は、ヴァータの持つ風と空間のエネルギーが優勢になっている状態です。後頭部のあたりに強い痛みがある頭痛です。これに対処するには、保湿をし、温めることが必要です。冷たい飲み物類は避け、もし風が強い場所にいる場合は衣類で身体を覆います。冷房のきつい場所も避け、身体を温めてください。白ごま油でのボディオイルマッサージも有効です。
次に、ピッタタイプの頭痛は、ピッタが持つ火と水のエネルギーが優勢になっている状態です。強く鋭い頭痛です。頭に熱が上がってしまっているので、身体全体から熱を逃がすことが必要です。対処法は、熱が増えるような食べ物、特に辛いもの、酸っぱいもの、しょっぱいものを避けることです。クールダウンする必要があるので、可能であれば目が受けるスクリーンからの刺激も避けましょう。また、耳で爆音の音楽を聞くこともピッタを上げます。目と鼻、そして耳は頭と繋がっています。
最後に、カパタイプの頭痛は、カパの水と土地のエネルギーが優勢になっている状態です。全体的にずっしりと重い感覚になり、鈍い頭痛が続きます。慢性的に鈍い頭痛が続く場合は、日頃から食後に散歩の習慣を作るなどし、軽く動く習慣を作ることが必要かもしれません。激しい運動を行う必要はありません。「静」と「動」で言うと、「動」を増やすと良いでしょう。また、雨の日だけ頭痛がある、という場合は、雨が持つ水のエネルギーからの影響を受けている可能性があります。私たちは、季節や気候からも影響を受けますので、その場合は何もせずに休むことが必要な時もあります。
私たちは、地球にある五元素と常にバランスを取り合いながら生きています。1年中同じ状態で生活していることはほとんどありません。自分の身体の状態を自分で観察し、休むことが必要な時もあります。そんな時は、身体を休ませてあげてくださいね。
幸せ修行 No.265
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。
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