ヘナ染めと聞くと、髪がツヤツヤになるなどの良い印象があるのではないでしょうか。アーユルヴェーダの視点からみても、ヘナにはいくつもの利点があります。加えて、ハワイのような暑い地域で過ごしているピッタ体質(火と水のエネルギーが多い状態)の人にはぴったりです。本記事では、ヘナについて少し深掘りしてみましょう。
まず、「ヘナ」とはどんなものでしょう。ヘナとはミソハギ科の植物です。一般的に髪に使用するヘナは、粉末にしたヘナの葉を使用します。ヘナにも質があり、開花前の葉を使用すると質が良いと言われています。植物のヘナから抽出したヘナのエッセンシャルオイルは香りがとても良く、インドに行ったらぜひ手に入れていただきたい逸品です。
ヘナは、インドの神様のラクシュミーが好んで使っていたと言われ、インドでは古くから使われていました。現代でも、結婚式などで手にヘナでアートをする文化も残っています。
次に、アーユルヴェーダの視点からヘナをみてみましょう。ヘナは、アーユルヴェーダでも使用されるハーブで、皮膚系のトラブル改善に使用されることがあります。これは、ヘナの持っている「冷性」の作用に由来します。アーユルヴェーダでは、「温性」と「冷性」のいずれかの性質がハーブに宿ると考えます。漢方でいう陰陽の価値観と似ていますね。例えば夏の暑い日に身体が熱を持っている時には、この「冷性」という性質はバランスをもたらしてくれます。
最後に、ヘナを使用する場合の向き、不向きをご紹介いたします。ヘナとの相性が良い人は、火と水のエネルギーであるピッタが高い人、暑い場所にいてクールダウンする必要のある人などです。ハワイのように、暑くて熱が溜まる場所にいる人には良いハーブでしょう。
逆にヘナとの相性が悪い人は、水と土地のエネルギーであるカパ体質の人、あるいはそのような症状のある人です。なぜなら、ヘナの持つ「冷性」のエネルギーによって不調を招く場合があるからです。これは、カパのエネルギーが優勢の時に起きる現象です。カパは、すでに水のエネルギー、つまり「冷性」が優勢なので、この時にヘナをすると、さらに「冷性」が進んでしまうのです。これは、ヘナを頭につけたまま放置することで頭痛の原因になりかねません。
アーユルヴェーダは、自然の持つ力だけで自分を癒すことができます。自然からの恵みは、私たちを癒し続けてくれることでしょう。
幸せ修行 No.263
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。
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