先日、ホノルル妙法寺の山村住職の著書『幸せお稽古』を読んでいたら、「エネルギーのあるものをいただきましょう」と書いてありました。仏教でも、エネルギーや目に見えないものを扱うようです。みなさん、エネルギーのあるものと聞いて何を思い浮かべますか。

　山村住職の本には、エネルギーが宿るものは野菜だと書いてあります。お肉の方がスタミナも付きそうだと想像するかもしれませんが、そうではないのです。そして、エネルギーの宿るものと は、アーユルヴェーダの言う「プラーナ」の通っているものです。プラーナは、サンスクリット語ですが、生命エネルギーと捉えると良いでしょう。このプラーナが通ったものをいただくことが、 私たちの健康維持には欠かすことができません。

　どのようなものがプラーナの通っているものかというと、それは新鮮な野菜類です。できるだけ、冷凍保存や瓶詰、缶詰の野菜類は避けましょう。これらは調理されて時間が経っているのでプラーナがなくなってしまっています。特にハワイの様に保存せずに食糧を確保できる地域に住んでいる私たちは、新鮮な野菜にこだわると良いでしょう。感覚的な問題なのでなんとも掴みずらさがあるかもしれませんが、新鮮なもの、元気を与えてくれそうなものを選ぶようにしましょう。家庭菜園のスペースがある方は、ハーブや葉野菜など、簡単なものをいくつか選んで育ててみてください。

　アーユルヴェーダは菜食を勧めている訳ではありませんので、お肉やお魚も好きだという方は、量に注意すれば食べても問題ありません。

　長期間野菜を放っておいておくとしわしわになってしまいますね。これは、プラーナが無い状態です。プラーナはエネルギーなので、ものにずっと宿るのではなく、時間が経つといつかはなくなってしまいます。

　なんだかややこしいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、この目に見えないエネルギーを知っておくと、少しずつ違いを感じられる様になります。なぜなら、「生」を身体に取り入れる方が、肉体的にも精神的にも、ずっと心地が良いからで す。「死」を毎日いただいても、そこから「生」は生まれてこないのです。せっかく生命をいただいて過ごしているのですから、せっかくなら「死」を取り入れるのではなく、活力や地球からの良いエネルギーを、食事を通して自分の心に取り入れてみませんか。 幸せは、こうした些細なことからも感じられるでしょう。