日刊サンWEB|ニュース・求人・不動産・美容・健康・教育まで、ハワイで役立つ最新情報がいつでも読めます

ハワイに住む人の情報源といえば日刊サン。ハワイで暮らす方に役立つ情報が満載の情報サイト。ニュース、求人・仕事探し、住まい、子どもの教育、毎日の行事・イベント、美容・健康、車、終活のことまで幅広く網羅しています。

デジタル版・新聞

今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】シニア社員も企業の大黒柱の一員である認識!?

 日本では働くシニアが増え続けている。少子高齢化の現象が急速に増加しているからであろう。東京の通勤電車では、常に多くの高齢者が早朝のラッシュアワーに、会社へ急ぐ若者と一緒に乗りこんでいる光景を見ることできる。日本人は勤勉でよく働く定番があるが、時には彼らに同情する気も生まれる。でも、本人たちは常に自信に満ちた笑顔で、見知りの同乗者と朝の挨拶を交わすこともある。高齢者たちは時代の変化には敏感に自覚し、自分たちの社会貢献を誇りにしているように見える。

 東京近郊の建設会社の大きな会議室には、工事現場の様子を映し出すモニター越しに、技師長として目下同市内の現場にいる社員達へ指示を飛ばしている。

 同社は2017年から、360度回転し、画像を拡大することでボルトの状態まで確認出きる高精細カメラを現場に設置し、本社の会議室やタブレット端末で、現場の様子を視聴できる仕組みを整えてきた。シニアの社員は現場へ行かなくても、指示を出したり、若手からの相談に乗ったりできるようになり、工事現場への移動の負担が少なくなる。会社は、優秀な社員を75歳まで働けるように大切にしている。そのため社員は皆生き生きと働くのである。

 これこそが「わが社の原動力」である、と社長は強調する。同社は15年ほど前から、高齢でも働きやすい環境の整備にとりくんでいる。建設業界は慢性的な人手不足を抱えている。そのような中でも、シニア社員の持つ技術を若手社員に伝えていけたのである。同社は、大手の建設会社を退職した優秀な人材を雇い入れ、指導役にしている。シニア社員の持つ豊富な知識や経験は、会社全体の技術力アップにつながり、同社の売り上げ高は15年間で2倍になった。『企業は成長するも停滞するも人』であると社長は強調する。

もう一つの実例は、千葉県にある官公庁用の制服を主に製造する会社で、高齢者を多く採用した結果、経営成果が短期間で著しい効果を上げた例があった。

この会社は1960年に創業し、主に警察関係や防衛省などの官公庁向けの制服メーカーとして、国内有数のシェアを誇る会社である。

 同社も近年は、若者世代の採用が難しくなったので、経験ある高齢者を採用した結果、成果を上げた会社として有名になった。同社は2016年に70歳の定年制度を廃止し、社内の照明を明るくして、使用する糸の色をみやすくするなどの工夫をし、シニアが長く働けるように、職場の環境を整備した結果、現在では社員90人のうち70歳以上が14人を占め、責任ある指導の地位を与えた結果、大きな成果を収めることが出来た。同社の社長は、「わが社は高齢社員の活躍がなければ、会社は成り立たたない大事な戦力であると」強調するのである。

 総務相の労働力調査によると、日本の2022年の65歳以上の就業者数は912万人で、過去最多となった。65歳以上の人口に占める就業者の割合も、25.2%となり、増加傾向にあるという。特に、6569歳の就業率は11年連続で上昇し、5割を超えている。

 ただ高齢者は体力や健康面の個人差があるため、採用するときは彼らの安全性には特に配慮が必要である、という。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.273

早氏 芳琴

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
Twitter
Visit Us
Instagram