日本の若者、 アジアのビジネスチャンスに挑戦!
今時「コロナ禍」の影響により、中国を始め、欧米諸国やアジア各国から日本を訪れる外国人観光客は激減している。この様な状態下において、日本の若者がどういうわけか特にアジア諸国に商機を求め、進出が盛んであるばかりでなく、将来その国に骨をも埋める覚悟で頑張っている姿がひしひしと伝わってくる。一体彼らはどのような青年であるのか、知りたくなった。
まず、タイの或る薬局に勤めている27歳の日本人青年の話である。日本の大学を卒業し、一般的な就職活動にも参加し、ある会社からの内定を貰っていたが、会社説明会の席でサラリーマンとして一生を終わるのが嫌になり、将来自分も会社の経営者になりたいという思いで、日本を飛び出した。
彼は、数年前日本企業の進出が盛んなタイの首都バンコクを訪れた時、タイには多くの日本人観光客が来るが、街の薬局には日本語で客の応対のできる店員がいないことに気付いた。そこで彼はタイ人の薬剤師と交渉して、その薬局に勤めることにした。その結果、同薬局には日本人客が大勢来るようになり、彼の適切且つ親切な対応で、顧客の安心と便宜を図ることが出来、評判が急速に広まり、支店を相次いで増加することになった。彼の将来の夢は、「自分で製薬事業に進出し、インドやインドネシアなどアジア全域にネットワークを広げたい」ということである。
次は、若い日本人女性の大きな夢が実ったサクセスストーリーである。ここ数年、日本人が英語を学ぶ対象国として、学費や生活費が比較的手ごろで、会話を中心に学ぶことができる国がフィリピンである。彼女自身も、フィリピンで英会話留学の経験者であった。後に自らが経営者として開設した英会話学校では、自分の過去の学習体験を基に、最大限の効果が発揮できる特別なカリキュラムを組んだ。同校の特徴は、一日平均約10時間の集中講義と会話実践であり、それが評判となり今では定員200人が満員御礼、キャンセル待ちするほどに発展している。
また、国内で、ある有名大学を卒業し、就職活動に参加し、商社からの内定をもらっていたが、「どんな仕事をさせられるのかが不安で、とうとう就職を辞退した」と言う若者の例である。彼は、その後カンボジアに渡り、色々と苦労しながら、得意の英語力を生かし、首都プノンペンで人材派遣会社を経営するようになった。今では現地で大きな人材派遣会社の最高経営責任者となっている。
彼が言うには「大学時代、企業の経営者を招き講演を聞きに行った時、開発途上国にはこれから大きな希望と発展があり、自分もこのチャンスを逃がさず、必ず一旗揚げてみせるという決意で、無我夢中で働いてきた報いである」と自負している。
上記三人の若者の例に見るように、アジアの発展途上国には、日本人の若者にとって、共存共栄の発展できる余地が残っているようである。彼らと後続の若者たちにエールを送りたい。
今どき ニッポン・ウォッチング Vol.187
早氏 芳琴