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今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】「和紅茶」は日本最高のお茶ですよ!

 「和紅茶」て、何のお茶ですかと、このあまり聞き慣れない名前ににピンとこない方もあろうかと思うが、実は「和紅茶」も正真正銘の日本産のある種のお茶の品名なのである。日本ではお茶の茶葉の摘み取り時期や製法の違いによって、その品名が異なっている。日本産のお茶には煎茶、深蒸し茶、玉露、かぶせ茶や和紅茶等々がある。それ故に、日本では古くから全てのお茶を総じて「緑茶」と称してきたこともあった程である。 

 最近では日本産の「緑茶」は大変評判が良く、全世界の健康を大切にする人たちに愛飲されている。日本の緑茶は、ウーロン茶と違って、お茶の葉っぱを発酵させずに作られるため、健康に良い生葉の成分をそのまま残すことができ、それが原因で日本の緑茶には色々な病気の予防に役立つと言われるようになり、世界中に愛飲者が急速に増えていたのである。

 日本の緑茶の効能について特に強調されているのは、ガンの抑制、虫歯の予防にも有効であるばかりでなく、ダイエットの強い味方でもあるということである。また、動脈硬化や脳卒中の予防、血圧降下にも役立ち、さらに緑茶のカテキンには殺菌作用の効能もあり、食中毒の防止にも最適というのである。

 

 だが、日本の総務省の家計調査によると、緑茶の1世帯あたりの年間支出額は、2000年からの20年で、約6810円から3817円と、半分近くに落ちてしまった。ある東京近郊のお茶の産地である小学校で子どもたちにお茶の作り方を教えている先生が、「自宅に急須がある人は」と尋ねると、手を挙げた子どもは、クラスでただ一人だったこともあったほどである。これは日本人の家庭生活においても、あまりそんなに日本茶を飲む習慣がなくなっており、子どもたちも小さい時から冷たい果物や野菜のジュース、紅茶または色々な清涼飲料等を飲む習慣に慣れ親しんでしまったからであるというのである。

 中でも一番影響が深刻であったのは、日本人の食生活の変化が最大の原因であるという。日本の大都市は言うまでもなく、全国各地にはハンバーガーなどのファーストフード式の店舗が点在し、特に若い世代の日本人に好まれている。こんな欧米式の店舗にも暖かい飲み物は当然あるが、多くの客が注文するのはやはり、冷たい飲料が主である。

 

 幸い日本産の茶葉からも和紅茶を製造できる。少し手間をかけるのを惜しまず、今まで緑茶がキープしているその独特な効能を失わずに、それよりも多くの効能が発揮できる新製品に作り直すことができれば、この斬新な純日本産の和紅茶は、きっと世代を超えて更に多くの愛飲者を獲得できるようになると、期待できるのである。

 伝えるところによると、目下日本の緑茶の多くはコンピューター制御の機械で生産されているという。そうであるなら、その技術を「和紅茶」生産用に改良し、今流行の冷たい和紅茶用の量産に全力投入すれば、自ずと新たな日本の「和紅茶」新時代の幕開けが期待できるようになるであろう。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.232

早氏 芳琴

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