前回のコラムを書いてから2週間で、状況は劇的に変化してしまった。3月31日現在のハワイ島の感染者は16人。ハワイ島での最初の感染者が出たのが3月17日だったから、2週間でじわじわと増えている。 

　ハワイ島生活に目に見えて変化が現れ始めたのは、20日くらいからだったと思う。レストランはテイクアウトに移行して、ヒロ・ファーマーズマーケットは生鮮品のみの営業に。それでも、スーパーマーケットなどはまだ通常営業をしていた。うちのお店はもともとテイクアウトなので、そのまま通常営業を続けることに。

　ヒロのダウンタウンは観光客向けのお店が多い。ロックダウン前に閉めてしまったところもあるし、店に板を打ち付けているところもけっこう多い。長期間店を閉めるとなると物騒なのだろう。

　25日水曜日からロックダウンが始まると、人も車も激減。テイクアウト営業をしていたレストランも、このタイミングで完全に閉めてしまったところが多かった。人件費などを考えると、営業しても利益にならないのだろう。スーパーマーケットなどでも入場制限が始まった。

　ヒロ・ダウンタウンはゴーストタウン化してしまった。といっても、もともと人が少ないんだけど。人が少ない田舎の町というのは、ちょっと怖い。歩いているのはホームレスばかり。人が少ないせいで、ホームレスの姿がやたらと目についてしまうのである。当然のように治安も悪くなる。すでに強盗に入られた家やお店もいくつかある。なにしろメイシーズにも泥棒が入ったらしい。だから店に板を打ち付けていたのかと納得してしまった。

　しっかし、いつまでこの状況が続くのか？　というよりも、これって始まりなんだろうなと思ってしまう。この騒ぎを参考に、次回のパンデミックからはもっと早く対処するようになることだろう。となると、「また来週からロックダウンだってー」てな未来が待っていることになる。と夫に話したところ、いやそれは違うと否定された。

「来週から外に出れるんだって。何しようか？」となるであろうとのこと。

　ロックダウンが日常になってしまって、たまにしか外に出られなくなる。旅行はすべてバーチャルに移行してしまうので、実際に旅行をしたことがある我々の世代は珍しがられるに違いない。ギエー、それって近未来SFの世界じゃないですか。SF作家さん達って、こうなることを論理的に見越していたんだね。

　というわけで、静かなハワイ島からお届けしました。ワイキキの様子が気になります。