我が家にチビがやって来てからもうすぐ1年。あっという間だったなあ。健やかに成長して良かった良かった。と喜んでいたら、1周年を目前に、大変なことが起こってしまったのだった。
11月2日、家に帰るといつも通りチビが出迎えてくれた。でも、何かヘン。声がちゃんと出ていないみたい。喉を鳴らすグルグル音もちょっと濁っている感じ。何度かゴホっと咳が出た。朝はふつうだったのに、いったいどうしたの?
私は恐怖に襲われたが、チビは元気に部屋を駆け回り、ご飯もモリモリ食べた。声以外は問題ない様子。
翌日、朝イチで病院に連れて行き、レントゲン撮影。肺に炎症があることが判明。アレルギーのせいか、喘息の初期症状なのかは判断できないとのこと。炎症を抑えるためにステロイドを注射して、様子を見ることになった。炎症を抑える薬を1日1回服用せよとの指令も受けた。アレルギーも喘息も、心当たりはないんだけど。突然喘息になることってあるのかなあ。
と、思い悩んでいたところ、帰宅後に原因が判明した。洗濯しようと思ったら、洗剤のキャップが床に転がっていたのである。これだ!
そういえば、昨日、チビの左足が濡れてたんだよね。何したんだろう? と思ったけど、深く考えずに拭いておいた。だがしかし、数時間後もまだ濡れていて、おかしいなと思ったんだった。あれは水じゃなくて洗剤だったんだ!
おそらく、ゲッコーか何かを追いかけていて、たまたまキャップを蹴とばして、わずかに残っていた洗剤が足にかかってしまったのだろう。それを舐めてしまって……。そんなことってあるのか!
我が家の洗剤はプッシュ式なため、計量用のキャップはいつもシンクに置いてある。ウカツと言えばウカツ。でもさあ、猫と暮らして12年、今までこんなこと起こらなかったもん。やはり子供の猫というのは、想定外のことをするものなのね。
我々はすぐにチビの足を洗った。とはいえ、夕べから何度か拭いていたので、泡が立つような気配もない。洗剤自体がケミカルの少ない天然素材系だったのも、不幸中の幸いだったかも? とにかく原因がわかってよかった。チビはさすがに疲れたようで、その後はご飯も食べず、おとなしく寝てしまった。
3日後にはチビもだいぶ回復し、声も少し出るようになった。子猫時代みたいな声になっててカワユイ。
というわけで1週間経つ頃には、チビはすっかり元気になり、声も元通りになった。ああ良かった。そして迎えた11月21日の1周年記念日、チビは朝からゲッコーを10匹以上捕まえて、疲れて早く寝てしまったのだった。そういえば、チビは1年前のことを覚えているのかな? 覚えてないだろうなあ。
ともあれチビたんよ、これからも元気で長生きしておくれ。
No.233
相原光(アイハラヒカル)
フリーランスライター&翻訳
群馬県出身、早稲田大学卒業。2008年結婚してハワイに移住。夫は寿司シェフ。2012年4月双子猫パンとマーチを連れてハワイ島に引越。8月に玄米寿司とムスビの持ち帰り店「DRAGON KITCHEN」を夫婦でヒロにオープン。現在ライター兼寿司屋のお手伝いとして活動中。姉は漫画家の花福こざる。
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