ヘアドネーションのおはなし
日本にいた頃は、最低でも2か月に1回は美容室に行っていました。ロングからショートまでいろんな長さを経験しましたし、カットやカラー、パーマなどをして、四季と流行にあわせたスタイルを楽しんでいたものです。
ところが、ハワイに来てからというもの、ずっと伸ばしっぱなし。髪を洗うと排水溝が詰まり、乾かすのに永遠とも思える時間がかかり、やっと乾いたと思ったら床に落ちた抜け毛を拾い集める作業へ。毎日掃除機をかけてもどこからともなくあらわれる、ながーい抜け毛。シャンプーやトリートメント、ヘアオイルなど、ケアに時間もお金もかかります。肩もこるし、もううんざり。バッサリ切ってしまいたい! と常日頃から思っていたのですが、ここまで伸ばしたのには訳がありました。
実は、ヘアドネーションを考えていたからなのです。ヘアドネーションとは、その名の通り、髪の毛を寄付すること。寄付した髪の毛はウィッグとなり、必要としている人たちのもとへ届けられるのです。アメリカにもいくつか団体があるようなのですが、カラーやパーマなどをしたことがないバージンヘアのみ受け付けてくれるということで断念。日本のヘアドネーション最大手ともいえる団体JHDACに寄付することに決めました。
ヘアドネーションをするには最低30センチが必要。自分が残したい長さに加えて30センチあると確信したのは、今月の初めのころ。それでもハワイ生活を共にしてきたロングヘア、名残惜しさもありました。日系の美容室に前もって問合せし、ヘアドネーション用のカットを受け付けてくださるということで、さっそく予約。前日は記念にたくさん写真を撮って、最後に丁寧にヘアケアし、当日を迎えました。
予約の際に伝えていたこともあり、美容師さんは腰まであった髪を束に分けて、輪ゴムでくくり、その上をバツッ!と切ってくださいました。切った毛束は大切にジップロックへ。その後、そこからきれいに整えてもらい、なんど3年ぶりに肩のあたりのショートヘアに大変身。周りからも大好評のできあがりです。今までずっと背中のあたりで揺れていた髪の毛がないのは、なんだかちょっと寂しい気もしますが、今はそれ以上にこの快適さを満喫しています。
私の髪の毛は、日本でウィッグとなり、それを必要としている子供たちに届くはずです。これからの未来を生きる子供たちが、少しでも笑顔になってくれれば、これ以上の幸せはありません。
参考URL:Japan Hair Donation & Charity(ジャーダック JHD&C)
ヘアドネーションを通じた社会貢献活動 (jhdac.org)
CAN OF ALOHA No.62
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_days をご覧ください。