テレビの話
突然ですが、私はもともとあまりテレビを見る方ではありませんでした。小学校の頃、周りがポケモンやクレヨンしんちゃんで盛り上がっていても、イマイチ心を惹かれることもなく、もう少し大きくなってからはバラエティやドラマにもあまり興味を持てませんでした。家で家族が点けているのをなんとなく見る程度。もちろん見ているときは楽しいし、好きな番組もありましたが、別になくてもいいかなぁ、といった具合。高校を卒業して上京したときも、一人暮らしの小さな部屋に、テレビはありませんでした。特にこれといった理由があるわけでもないのですが、テレビはなくてもいいかな、という人生を歩んでいました。
ところが、ハワイに来てから、それは一転。英語の勉強も兼ねてドラマやテレビショーを見ているうちにどんどんハマっていきました。HuluやNetflixに出会ってからは一日中テレビの前に座っている始末。ふと思い立って一日のテレビ視聴時間を測ってみると平日で4時間、土日では6時間を超える日も。我ながら驚きです。
今ハマっているのはアメリカのドラマ、ザ・ウォーキング・デッド。流行りには少し乗り遅れた感じが否めませんが、日本でも少し前に話題になったドラマです。ゾンビのはびこる世界で、生き残った人間たちを描いたドラマ。と言うと、ストーリーとしては「ありがち」に聞こえますが、キャラクターそれぞれがいい味を出していて、毎エピソードをハラハラドキドキしながら見ています。
それから見るたびに泣いてしまうのが、アメリカ最大のオーディション番組、アメリカズ・ゴッドタレント。四人の審査員と大勢の観客を前に、ステージ上でパフォーマンス。歌だったり、ダンスだったり、パントマイムだったり、スタンダップコメディだったり。老若男女を問わず、様々な挑戦者たちが自分の才能だけを武器に、辛口の審査員に挑むのです。特に小さい子供が堂々とパフォーマンスする姿には涙を禁じ得ません。私も何か、あのステージに立てるようなタレントがあればなあ、と思いつつ涙を拭っています。
アニメも忘れてはなりません。バーガー店を営む家族をコミカルに描いたボブズ・バーガーズは私が一番最初にハマったアメリカのアニメ。ゆるく、それでいてウィットに富んだユーモアがふんだんに散りばめられている大人向けアニメは、疲れているときでも頭を使わずに見られて最高です。
この3つはあくまでも一例。実際にはここには書ききれないくらいのドラマやショー、アニメを見まくっています。「テレビばっかり見てないで勉強しなさい!」と怒られた幼少期の経験がない私、アラサーになってからそのセリフを母に言わせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいなのでした。
CAN OF ALOHA No.37
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_channel をご覧ください。