エナジードリンクのお話
テストを間近に控えたある日、あるいは、やっておけばいいのにやらなかったタスクの締め切りが迫っている日。あまり眠れなかった日の授業前。疲れ切っているけれど、もう一踏ん張り必要なとき。私の味方でいてくれるのは、そう、エナジードリンク。カフェインのたっぷり入ったそれは、私をお布団の誘惑から引き離してくれるのです。体にあまりよくないことは百も承知。それでも必要なときがあるのが、オトナの哀しいサガ。
まだ日本で働いていた頃、つまらない会議の前は人知れず飲んでいたものです。昼休みに買っておいて、上司に気付かれる前に一気飲み。そして会議に臨み、眠気に耐え、その後終電近くまで残業、なんてこともありました。今となっては懐かしい思い出です、と言いたいところですが、再び学生に戻ったせいで、あの頃よりも摂取量は確実に増えています。
日本に比べてエナジードリンクの種類が多いここハワイでは、たくさんの種類の中からその日の気分に合ったものをチョイスできます。作業のお供にはモンスター。大容量なのでジュース感覚でちびちび飲みながら元気を補給。ここぞというときはエナジーショット。一口でカフェインを大量摂取できます。
最近のマイブームはスイカ味のレッドブル。本当にしっかりスイカの味がして、エナジードリンク独特の強い刺激を和らげてくれます。それから、bangの「カワイイ」フレーバーたち。ユニコーン・レインボーなんて、まるで原宿あたりにありそうなお店のような名前です。
そう、この原稿を書いている今この瞬間も、私の手元にはエナジードリンクがあります。青みがかった緑の缶が眩しく、この缶に私は救われたと言っても過言ではないでしょう。そう、ついさっきまで、課題に追われていたもので。ええ、早くやっておけばよかったのですが、相も変わらずだらしない私は「エナジードリンクをキメてやれば、起きていられる。そうすれば間に合うはず」と思っていたのです。宿題は間に合って、結果的にはこうしてこの原稿も滑り込みセーフですからいいのかもしれませんが、なんだか罪悪感を感じてしまうのはなぜでしょうか。
エナジードリンクの棚の前に行くと、ずらりと並んだそれらにとても心惹かれるのですが、やはり健康への影響も気になるところ。エナジードリンクの飲み過ぎで動悸がしたとか、気分が悪くなったとか、はたまた亡くなってしまったというケースを聞くだけに常飲は不安。糖分も少なくないので、ダイエットの意味でも控えようと思っている今日この頃。
計画的に、そして健康的に過ごして、いつの日かエナジードリンクにさよならを言える日が来るといいな、と思っています。
CAN OF ALOHA No.35
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_channel をご覧ください。