「あつまれ」なお話
コロナ騒動、未だ落ち着かず。日本では感染拡大を防ぐために「密閉・密集・密接」の三つの「密」を避けようと言われているようで、マイクを片手に近寄ってくる記者に対して「密です」と距離を取るように言った小池都知事の姿が話題になりました。ここハワイでも、状況は落ち着いてはきたものの、「密」はまだご法度。集まってご飯を食べたり、パーティしたりはまだ先の話になりそうです。
そんな中でも大声で「集まれ!」と言える世界があるのをご存知でしょうか。そこでは外出も自由にできるし、お店だって開いています。博物館も営業中なので、中に展示されている化石を見ることだって自由。ビーチに寝そべろうが、友達と追いかけっこをしようが、誰からも咎められないのです。と言っても、ゲームの中の話なのですが。
任天堂が3月20日に発売したゲーム、「あつまれ どうぶつの森」は、もともと人気だったシリーズ作の中でも最高の売上を記録し、今現在でもまだまだ売上を伸ばしているという恐ろしいほどの人気作。主人公は無人島に移住し、釣りや虫取りをしたり、DIYをしたり、花を育てたりといったのんびりスローライフを楽しむゲームです。老若男女問わずに楽しめることもあって、ゲーム本体に当たるSwitchも含めての品薄・品切れが続いているようです。
ゲーマーを自負する私はしっかり発売日にゲット。ダウンロード版なので、深夜0時ぴったりにスタートを切れました。今でも学期末の忙しい合間を縫って、毎日ちまちまとプレイを続けています。島の中には何の命令も要請もないので、自分が外に出たい時に出て、行きたいところに行けます。それが現実世界のストレスを解消してくれて、こもりきりの生活に彩りを添えてくれるのです。ほんの数ヶ月前まではこれが当たり前の生活だったのに、とはたと気付いては、少し切ないような悲しいような気持ちになってしまうのですが。
自分一人で黙々とゲームするもよし、遠く離れた友達とインターネットを通じてお互いの島を行き来するもよし。世界的規模でのステイホームのこのご時世、このゲームがどれだけ多くの人たちを楽しませてきたかは想像に難くありません。もちろん、「どうぶつの森」だけではなく、他にも工夫を凝らしてステイホームを頑張っているお話を耳にします。慣れない在宅勤務や在宅学習の傍らで、この局面を乗り切るためには楽しむことが不可欠です。こんな大変なことになっているのに不謹慎だ、と思われる方もおられるようですが、しょんぼりして怖がっているだけでも時間は過ぎ去っていきます。できないことがたくさんある今、そんな今しかできないことを楽しむ余裕を持ちましょう。と自戒を込めて、締めくくりたいと思います。どうかみなさま、引き続きお気をつけて。
CAN OF ALOHA No.30
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_channel をご覧ください。