先日、ついにモペッドを購入しました。これまでずっと移動はバス、徒歩、そして誰かの助手席。実は車の免許を持ってはいるのですが、あまり運転が上手い方ではなく、ずっとペーパードライバー。レストランでお酒を注文する時以外には日の目を見ることのないプラスチック板と化していたのです。しかしここハワイは車社会の上に、バスはアロハタイムでの到着・出発が当たり前。なかなか思い通りに移動ができないストレスを感じていました。

　とはいえ、車を持つには維持費がかかります。ホノルル在住の私には、駐車場を一つ借りるのもなかなかの出費。そもそも、空き駐車場を探すのも一苦労。そこで思いついたのがモペッド、すなわち原チャでした。

　日本でもお馴染みのモペッド。ハワイではもっと手軽に購入できました。保険も必要なし、ヘルメットも必要なし。日本に比べると比較的安価に手に入るのも魅力のひとつ。こんなに簡単に買えていいのだろうか、大丈夫だろうか、と一抹の不安を覚えながらも、恐る恐る初ライド。と言っても一人で乗るには怖すぎたので、バイク乗りの妹に一通り教えてもらって、更に後ろからついて来てもらって、至れり尽くせりの講習付き。エンジンをブォン、とふかすのさえドキドキしながらでしたが、何とか、誰も傷つけることなく目的地へ到着することができました。

　モペッドで街を走ると、風が気持ちよく、いつも徒歩で見る景色とは全くと言っていいほど違うのに驚きます。もちろん、目の前の交通に集中しているのですが、なんだかひとまわり大人になったような、不思議な気分。走っているうちに怖さも薄らいで、最初はできなかったコーナリングもなんとかできるようになりました。

　と同時に、やはり身一つで道路に放り出されると、マナーの悪い歩行者やドライバーにはヒヤヒヤさせられます。カラカウア通りを信号無視してわたる歩行者、指示器を出さずに車線変更するドライバー、違法駐車で道を塞いでいる車両。普段はあまり意識しなかったものが目に入って来て、肝が冷えました。当たり前のことですが、Driving With Aloha。周りに気を配らなくては、と自戒を込めて思いました。

　実はモペッドを購入してすぐ、ハワイは類を見ないほどの悪天候が続き、なかなか乗れていません。大雨の降る中で初心者がモペッドを運転するのはやはり時期尚早。しばらくは旧友のバスにお世話になっています。また天気が回復したら、今度は少し遠くまで行ってみたいな、と思うのでした。