絶滅危機の精油
みなさん、こんにちは。今回は、抗菌、抗ウイルス作用もあるローズウッドのお話をしたいと思います。
私が最初に精油を手にしたのは、確か中学生か高校生くらいだったかと思います。当時、私の父親が輸入雑貨を扱う店を経営しており、そこに精油が置いてあったのがきっかけだったと覚えています。それが100%天然の精油だったかどうかは今ではわかりませんが、精油と合わせてオイルバーナーも購入しました。その時に、一番のお気に入りだった精油はローズウッドです。名前の通りに、木なんですがローズのような甘い香りがするので、ローズウッドと名付けられたと言われています。生息地は、南米ブラジルやアマゾンの熱帯雨林。とても大きな木です。この木は、家具や楽器などを作るのにも好んで使われています。
ローズウッドの精油には、先に記述したように抗菌、抗ウィルス作用があり、免疫力を高める効果もあるので、疲労回復にも役立つ精油です。肌にも優れた効果があり、アンチエイジングに効果が期待できるので、化粧品に使われることも多くあります。ローズウッドの名前が知られるきっかけとなったのは、あのシャネルの香水「No.5」に使われていると言われたからだとか。
さて、このローズウッドの精油ですが、私が精油を使い始めた頃は、精油を売っている場所だったら、大体どこでも手に入れることができました。しかし、最近では市場で見かけることがほとんどなくなりました。実は、ローズウッドは大木で成長も遅いため、成熟するまでに15年はかかるんだそうです。そして、そんな木を様々な理由で伐採しているうちに、絶滅の危機にさらされるようになってしまったのです。最近、ブラジルではローズウッドの木を1本伐採するごとに、新しく1本植えなければいけないという決まりができたそうです。
精油は、確かに100%天然の植物から採れたオイルですが、精油を採るためにも植物を伐採します。ローズウッドのように、長い年月をかけてしか成長できない植物もありますし、年中生産できる植物もあります。精油を使用するにあたって、こういったことも考えて使うと、一滴の重みがより感じられるのではないかと思います。自然からの恵みと思い、植物に、自然に感謝をすることを教えてくれるのもアロマセラピーです。
ちなみにハワイは昔、サンダルウッドの原産地だったことをご存知でしょうか。同じ理由で、現在は絶滅に近い状態です。自然はたくさんの恵みを与えてくれますが、永遠ではないことを人間は知らないといけません。豊かな自然が永遠に続いてくれるように、人間も感謝を表した行動をしなければいけませんね。
アロマのある生活 No.134
山中麻瑠 Maru Yamanaka
1999年に渡豪、IFA認定アロマセラピストとなる。オーストラリア某有名デイスパ、日本で医療現場、ホテルスパ、等で経験を積み、アロマセラピスト育成講師も務める。2005年ハワイに渡り、2008年より11年間アロマアットホームのオーナーを務める。現在、アロマセラピーを広める活動中。2014年からアロマセラピーワークショップ開催。
インスタグラム:@marukimoto_808aroma
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