生姜科の植物
相変わらずの、不便な生活ではありますが、やっぱり自然に触れることのできるハワイに住んでいる私達は、ビルばかりの都会に住んでいる人達よりもストレスレベルではだいぶマシなのかなと思います。2回目のロックダウンでは、一人でだったらハイキングも、ビーチでごろんとするのも許可されました。
先日、ハイキングトレイルがオープンになったので、早速行ってみました。ハイキングの楽しみの一つに、たくさんの植物との出会いがあります。この時期だと少しの雨で植物がぐんぐんと大きくなります。私がついつい足を止めたくなるのは、お花を見た時です。山の植物は採ってはいけないので、匂いをかぎたければ危険のない範囲で自分が近づいていくしかありません。この前見つけたのは、ホワイトジンジャー。実際に咲いているのを見るのは初めてだったので、かなり感動しました。ハワイ名では、awapuhi ke’oke’o(アヴァプヒ ケオケオ)と言います。香りをかいでみると、とにかくとっても良い香りで、持って帰りたいと本当に思いました(が、もちろんダメです)。散って地面に落ちているものは持って帰っても良いと自分なりに解釈しているのですが、ジンジャーの生えている場所が川の横で、散った先は水の中…。散った花は拾えませんでした。
ジンジャーと言うと、そうです、あのみなさんの知っている生姜。あれと同じ見た目のものが、根っこの辺りにたくさん付いています。ハワイには、たくさんのジンジャー(生姜科の植物)があります。ホワイトジンジャーをはじめ、お花の見た目も香りも似ているイエロージンジャー、見た目は全く違いますが、同じく生姜科のスモールシェルジンジャーや、レッドジンジャー、トーチジンジャーなどがあります。わりと身近に咲いているので、みなさんも見たことがあるお花がきっとあるはずです。ホワイトジンジャーやイエロージンジャーは香りがとても良く、レイやボディーローションなどにもよく使われています。このお花から採取される精油は、とても高価なものです。
アロマセラピーでよく使われるのは、普通のジンジャー、いわゆる生姜ですね。こちらは根や茎から精油が採取されており、香りはまさにあのままの生姜です。精油だとかなり濃い香りになるので、単体でジンジャーの精油を使用することはあまりありません。血液の流れを促し、身体を温める効果があります。消化器系を助けることかもあるので、胃腸の調子が優れない時にもお勧めです。
ジンジャーといっても、それぞれが全然違う植物で、お花から取れた精油はフローラル系、茎や根から取れた精油はスパイシー系というカテゴリーに分けられるのです。ぜひみなさんも、いつもと違った視点でご自宅の周りの植物を観察してみてください。
アロマのある生活 No.139
山中麻瑠 Maru Yamanaka
1999年に渡豪、IFA認定アロマセラピストとなる。オーストラリア某有名デイスパ、日本で医療現場、ホテルスパ、等で経験を積み、アロマセラピスト育成講師も務める。2005年ハワイに渡り、2008年より11年間アロマアットホームのオーナーを務める。現在、アロマセラピーを広める活動中。2014年からアロマセラピーワークショップ開催。
インスタグラム:@marukimoto_808aroma
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