日本人の間で人気の高い世界遺産、アンコール遺跡。個人的にはなぜそんなに人気があるのかわからなかったが、アンジェリーナ・ジョリー主演“トゥーム・レイダー”の撮影地、という点に興味をそそられて行ってきた。
タ・プローム遺跡 |
世の中には『廃墟マニア』なるものが一定数存在する。閉園した遊園地や閉鎖された病棟、人口が減りゴーストタウンになってしまった街などの、打ち捨てられた感じがたまらないーそんな嗜好が理解出来るようになったのが、アンコール・トム遺跡内のタ・プローム。寺院の外壁は崩れ、ところどころガジュマルの木の根に侵食されているのだが、その様子がとても美しい。広大なアンコール遺跡の中でも、ここは絶対に訪れるべき!
ロン島ビーチ |
遺跡のあるシェムリアップから南へおよそ500kmの位置に、まだ知名度が低くリゾート化されていない穴場、ロン島がある。島には大型ホテルがなく、バンガロータイプの宿が立ち並び、洗濯板で衣服を洗うスローライフな住民の方々と隣り合わせ。何より、透明度の高い海と、歩く度にキュッキュッと鳴る粒子の細かい真っ白な砂浜が魅力的。ただのんびりとするのも良いが、魚釣りやシュノーケリング、ビール、BBQの含まれた格安ボートツアーも外せない。
牛肉のクイティウ |
淡水魚や野菜、香辛料をココナツミルクで混ぜ、卵でとじたカンボジア料理『アモック』は女子ウケの良い味!と評判だったので食べてみたところ、筆者の口には合わなかった。とろとろの牛肉入りビーフシチューにお米の麺を合わせたクイティウはおかわりしたくなるほど絶品だったのだが…アボカド入りシェイクや、パッションフルーツとマンゴーにコンデンスミルクを混ぜた手作りドリンクも南国感満載で美味しかった。
乗馬をしながら海で泳いだり、ガソリンがコーラの瓶に入って売られていて驚いたり、サソリやヘビの串焼きに悲鳴をあげたり、と書ききれないような新鮮な体験をたくさんした。まだまだ発展途中のカンボジアから、溢れるようなパワーをもらった気がする。
●加西 来夏 (かさい らいか)
訪問39ヵ国、好きな言葉は「世界は驚きと奇跡に満ちている」/ボートツアーの魚釣りはセロテープ台の芯に釣り糸と小さな重石をつけた簡素なもので、こんなもので釣れるの?と思っていましたが、釣り好きのおじ様ひとりだけ入れ食いでした。コツがあるんですね。私は釣果ゼロ!
(日刊サン 2020.1.23)