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デジタル版・新聞

インタビュー

JCNET代表 Zhao Shulinさん

北京でビジネスを立ち上げ

それで転職されたのですか?

たまたま僕はラジオやサテライトのマニア でしたので、中国に戻って、それを生かした仕事をしようと思いました。そして、北京でサテライトの雑誌を立ち上げました。

 

その頃は衛星放送もなかったですから、一番人気のブームだったのです。ホテルなどにもシステムや情報提供が必要とされていました。そこで、その雑誌を作ると同時に、深訓でホテルヘの送信や機材の開発をする サ テライト開発のビジネスを立ち上げました。

 

タイミング的にはちょうどその頃、日本でスカイパーフェクトが立ち上がつていたので、それを中国でも受信できるようにしました。

 

 

資本金はどのように調達されたのです か?

それまでに日本でも貯金していましたが、妻も経済的に支えてくれました。妻は日 本と香港で勉強して会計事務所を作って、 日本企業向けの会計サービスも始めていました。

 

そういう意味では僕は恵まれていて、生活に困ることはないので、趣味でビジネスをしている。その点はほかの人より幸せです。

 

 

ビジネスを始められたのはいつ頃です か?

96年から始めましたから、今はもう17年目です。ものをつくって人に喜んでもらうのが嬉しいんです。

 

日本では色々とお世話になりましたし、私は日本人に親近感を持っていますから、何か役に立つことをしたいと思って、ずっと海外在住の日本人対象のビジネスにこだわってやっています。

 

 

インターネットのビジネスについては?

12年前にインターネットの会社を作りました。中国で日本企業向けの日本語人材サ イト、 「チャイナサクラネット」を立ち上げました。これは好評で、今でも中国でもトップレベルの人材サイトです。

 

日本語のできる人材を登録して日本企業に提供しています。 同時に日本のキャリアと提携してIP電話システムを開発しました。日中間の国際格安電話ビジネスやその設備の開発です。

 

たとえばそのための電話機とかゲートウェアのハードウェアを開発しながら、日本企業限定で売り出したのです。日本在住の中国人やフィリピン人などにも、製品とソリュー ションを提供しました。

 

 

日本にも進出されたのですか?

日本にも会社を設立して日本進出の可能性を探ったのですが、 なかなか認めてくれなかったのです。たとえば、我々のIP電話システムやIP電話ソリューションは、アメリ力の技術を使って中国で開発したものですが、日本技術に比べてそんなに劣っていません。

 

ところが、なかなか相手にしてもらえなかった。それなら海外に集中すればいいかと思って、東南アジアの日系企業に提供するようにしたのです。この事業も10年以上続いています。

 

 

これからはモバイルの時代

モ バイルのビジネスについてお話し下 さい。

モバイルインターネットについては、最も重要なサービスだと思い、4年前から開発を始めました。日本人向けのスマートフォンを開発したわけです。

 

日本の携帯電話はガ ラパゴスですから、海外では使えません。それで、GSMの携帯電話を開発しで日本語入力ができるようにして、駐在員や観光客がそれを格安で利用できるようにしました。

 

これもとても喜ばれました。 そこで、携帯の現地情報の提供を始めました。例えば上海の情報を日本語で提供するなど、中国限定で出しているんです。

 

これからはPCよりもモバイルが中心の時代になります。たとえば日本人向けの現地情報提供とか、スマートフォン上の位置情報と連動したロケーションサービス、さらに 日本の楽天モバイルとフコ ージョンと提携しで日本語の電話を使った海外でのロ ー ミングの無料サービスとか、ラジオやテレビなどを受信できるようにもしています。

 

 

社員は何人ぐらいですか。

グループ全体で75~76人です。企画を社内でやっています。いいアイディアをいかに早いタイミングで展開できるかが勝負です。

 

そして、開発はすべてアウトソーシングでやっています。中国の閤発 技術は、この10年ぐらいで日本に劣らないレベルまで追いついています。

 

モバイルインターネットの携帯、スマートフォンでは、中国はトップです。iPhoneも開発はアメリカですが、中国で生産している。世界の携帯の7割から8割は中国で生産されていますし、その面では世界のトップレベルに近付いているんです。

 

その世界一流技術を生かして海外の日本人に特化したサービスを開発しているのです。新しい技術について言えば、インフラ的にはちっとも悪くないですから、かえって普及は新興国の方が早いと思いますよ。

 

モバ イルコンテンツについては、中国は世界で 一番量が多いんです。開発者が多いから、 アメリカ市場向けのゲームの半分は中国で 開発されています。仮に同じ割合で開発す る人がいるとしたら、人口が多いので、人数的には中固が圧倒的に多くなるんです。

 

 

スマートフォンの普及も早いようですね。

スマートフォンもあと3年ぐらいでもっと 普及してくる。これがもっと進んでくると、生 活のスタイルも大分変わってくるかもしれ ません。

 

今までは情報取得は新聞やテレビ だったのが、今はユビキタスの時代です。いつでもどこでも必要なものをその都度とる。 そういう時代がきますから。

 

生活のスタイルも、子どもの育ち方も違う。その点で、先進 国と後進国の差がなくなると思うのです。 中国ではインターネットを使うショッピ ングの普及の水準は日本よりも進んでいま す。

 

例えば、中国の私のオフイスの社員は、 誰もショッピングに行きません。みんなスマートフォンやタブレットで買い物をしているのです。夜に発注すると次の日に届きます から。

 

インターネットの世界最王手のタオ パオでは、1日に百万店が出店しています。 そうすると、店を探すのも大変なので、今は フィルター機能のアプリが一番成長してい るのです。

 

たとえば子ども専門、レデイーズ専門など、それを選択してショッピングが できます。我々は海外在住日本人のための 専門サイトを開発していて、色々なものを 選んでから日本人にすすめています。

 

 

ハワイでもビジネスを考えておられるのですか?

ハワイ在住の日本人や観光客にスマートフォンを生かしたサービスをしようと思っています。

 

ハワイには毎年120万弱の日本人が訪れています。そういう人達に、もっと便利なサー ビス。スマー トフォンなどのサービスを提供できないかと思っています。

 

同時にインターネット・ショッピングの技術を駆使 しで日本にいるプランドを志向する若者に利便の技術ができないかも調査検討したいと思っています。

 

日本人がいちばん訪れるのが、ハワイと香港とドバイです。香港は我々の本拠地ですが、香港とハワイのブランド品を現地で調達できるようになったらスマートフォンやネットショッピングの技術を生かして、海外に行かなくても日本在住の日本人がもっ と簡単に購買できるようにしたい。

 

そして、 現地を訪れる人には、もっといい情報、もっ と適切な割引情報、便利な情報を提供でき るようになればと考えています。その技術やノウハウを、我々は持っているのです。

 

ロケーションサービスの技術を生かして、例えばワイキキに来たら、どこにいいものがあるかをスマートフォンで日本語で紹介できるようなサービスを考えています。さらに口コミでソーシャルネットワークを通してお互いに情報交換もできるようにしたいのです。

 

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