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デジタル版・新聞

インタビュー

【インタビュー 輝く人】お笑いコンビ サンドウィッチマン / 伊達みきお さん 富澤たけし さん

できることは変わっていく そのときに必要なことをしていきたい

 

仙台出身のサンドウィッチマンの2人は、テレビやラジオ出演のほか、単独ライブツアーで全国を回る人気お笑いコンビ。

2011年3月11日に気仙沼港でテレビ番組の撮影中に東日本大震災に遭遇し、近くの山に避難した直後、港を8mの津波が襲った。

東京に戻ってすぐに「東北魂義援金」を立ち上げ、2014年3月までに約3億7249円の義援金を東北各県に渡した。

東北の支援活動を続けながら、全国に笑いを届ける、輝く2人。

インタビュアー:大沢 陽子

 

 

必ずお金が必要になると思ったから すぐに義援金口座を開設した

気仙沼で被災して、実家の無事を確認し、約10時間をかけて東京へ戻った2人。

『戦後、俺たちのじいちゃんやばぁちゃんは日本を復活させた。世界には奇跡と言われた日本の復興。必ず復興します! 日本をナメるな! 東北をナメるな!』伊達さんが震災翌日にブログに書いた一文は、イギリス紙「インデペンデント電子版を通して世界に発信された。


伊達さん 

被災地と呼ばれている僕らの地元を離れて東京に向かうときは辛かったです。実家はライフラインが全部止まっていたので、いつ電気がつくとか、ガスが通るとか、水道が使えるとか、全く見通しもまったくつかないまま、仕事のために東京へ向かうということはさすがに厳しかったですね。自分の父親がバケツを持って、給水車の長い列に並ぶときが来るなんて。まさか実家がそういう状況になるとは思っていませんでした。両親は「あなたたちは伝える仕事をしているのだから、今のこの現状を東京でちゃんと伝えなさい」と言ってくれ、その言葉に背中を押されました。東京のテレビの生放送に3月15日に出演することが随分前から決まっていたので、それに間に合うように東京へ向かいました。

多くの人たちが家族や友人たちの安否の確認ができないでいる中、東京ではテレビ局に対して「同じ場面ばかりを放映せず、テレビの大きな力で、少しでも顔や名前を多く映してください」と2人でお願いをしました。

 

富澤さん

僕は4月に子どもが生まれる予定で、妻もお腹が大きかったので、無事は確認したのですが、精神的なものもありますし、なるべく早く戻らないといけないと思いました。被災した実家は停電にもなっていました。電波は圏外になり、電話はほぼ通じませんでした。そうした状況の中で地元を離れるのはやはりきつかったです。

 

 


 東京へ戻った2人は3月16日に「“東北魂”義援金口座」を立ち上げる。同時に“東北魂”のロゴ入りTシャツなどのチャリティーグッズの販売も開始。同年5月26日までに義援金口座には26,297人から振込みがあり、チャリティーライブとチャリティーグッズの収益を含めて2億9,722万円が集まる。翌日に2人は宮城県庁で義援金9000万円を村井嘉浩県知事に手渡した。同様に岩手県や福島県など6県を訪れて義援金を渡した。(2014年3月現在372,491,175円)


 

伊達さん

すべてが流されている状態の海辺にいたので、まったく何一つ持たないで家から避難して、家ごと流されているという人たちがたくさんいたのを見ていました。これは絶対にお金が必要になると感じました。そこで義援金を集めようと思ったのです。どれだけ集まるかわからないけれど、まずは立ち上げました。

 

富澤さん

義援金はほかの団体を通すのもいいのかなとも思ったのですが、そうすると動きを見ることができない。そこで、僕らは“県知事に手渡しする”ということを掲げました。「そこまでは僕らがちゃんとやりますよ」と約束してみなさんから義援金を募りました。

 

伊達さん

もちろんほかの団体、例えば日本赤十字社などもちゃんとやってくれていました。被災地に行くと、毛布などがぎっしり詰まった赤十字社のダンボール箱をたくさん見ました。そこを通してもよいと思いましたが、僕らの場合は、募金をする側がこのお金はどこに行くのかなとか、募金したいけれどどこに入れたらいいのかわからないという方もいたので、「僕らは直接被災地に持っていくので協力してください」と、すべてを透明にすることにしました。  

チャリティーグッズとしてすぐに販売した東北魂Tシャツは、もともと2010年の単独ライブのときに作って販売していたものなんです。その後、Tシャツを無料で作ってくださったり、協力してくださるメーカーさんが出てくれて、背中に“2011.3.11”をプリントしてたくさんTシャツを作りました。

 

 

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