100年後の日本のために
ジェームスさん
私たちは2012年にリタイヤしました。これからは、移民という我々の立場から、日本のために国際的な活動をしたいと思っています。移民が多く、世界のへそであるハワイに世界日系移民センター(仮称)を作りたいと計画しています。
日本は少子化の時代です。あと100年経ったら日本の存在はどうなるのでしょう?日本人がほとんどいなくなって、絶滅人種で希少価値になっているかもしれません。なんとかしなくてはいけない。生むといっても限度があるので、日本の人口を増やすためには日本の移民政策を変えなくてはなりません。
ただ、外国人がたくさん日本に移住して来ても日本文化の継承、伝承は難しいのではないでしょうか。世界には、日本の血を受け継ぐ、移民がたくさんいますよね。例えば、カナダで生まれて日本に帰って学校の先生を務め、日本が気に入って日本に住みたいという方がいっぱいいます。彼らの両親、祖父母は日本人で、カナダで日本の文化や伝統を自分の子どもや孫たちに教えているのです。このように世界に広まっている2世、3世の人たちを日本へ帰らせること。それが日本を100年後に存続させるために、日本の文化伝統を伝承しながら人口を増やす唯一の方法だと思います。これが世界日系移民センター(仮称)のひとつの役目です。彼らは日本の言葉を喋りながら、英語で日本の文化を世界に発信できる。彼らひとりひとりが大使なのです。
ハワイを中心に世界日系移民センター(仮称)を作って、意見交換、情報交換、人の交換、世界移民会議をしたい。人が動けばお金も動きます。ハワイにとってもよいことです。移民という立場を世界的な見地から見てみようという運動をはじめようと思っています。世界各地にある日系文化会館の世界大会をハワイで開催したらおもしろいですよね!たくさんの有志の方々のお力をお借りしたいと思っています。
チャコさん
今私たちが考えているのは、外国にいて日本語を話す移民の人たちのことです。駐在員も、学生も日本の血が入るすべての人々が連結するセンターを作りたいと思っています。 わかりやすくいえば、“玄関を入って靴が散らかっていたらそろえましょうね”。“おじいちゃんおばあちゃんには尊敬の念を持ちましょうね”。こうした道徳を教えたり、華道や茶道、武道などの日本文化の中心にあるバックボーンを追求する、文化のルネサンスが大事。日本ルネサンスを起こすことができるのは海外にいる日系人から、なのです。
ハワイや北米など、そこに住んでいる日系人たちのルネサンス・ジャパン・ムーブメントを起こしませんか?それを地球のヘソであるハワイでジョインするのが一番よいのではないかと思っています。 ハワイの半分はアメリカで、半分は日本だと感じます。日系人がこれほどのびのびと過ごしている場所はほかにはありません。でも、この島も日本人がアイデンティティをしっかり持っていかないと変わってくると思います。それを世界に発信するのが世界日系人移民センター(仮称)です。
今からの人生、労働をしてその対価がお金という生き方はしたくないのです。私たちができることを、感謝の気持ちを込めて精一杯していきたいと思っています。ありがとう!
(日刊サン 2014.03.22)