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プラスチックゴミの炭化で資源循環を ハワイ島でクラウドファンディング実施中 8月26日まで
近年、世界中で取り組まれている海洋プラスチックゴミ問題。ハワイ州では毎年、15〜20トンの海洋プラスチックゴミが回収されており、その4割はペットボトルだ。
ハワイ島のロハスな宿「MAKOA」では現在、回収されたペットボトルを炭化し、資源として再利用するためのプロジェクトを推進している。このプロジェクトでは、日本の紋珠高槻バイオチャーエネルギー研究所が開発した「炭化力システム」を導入した資源循環を目指している。
炭化力システムは、プラスチックごみを炭に変える画期的な資源循環技術。密閉式炭化ユニットを用い、木材を炭化する際に出る800℃の熱でプラスチックを「バイオチャー」と呼ばれる炭に変換する。出来上がったバイオチャーは土壌の循環や脱臭、炭を使った製品作りなどに活用できるという。
バイオチャー作りの燃料として使用される木材は、果樹の剪定枝のような農業残渣、荒廃森林や放置竹林の伐採材など多岐にわたる。ハワイでは、コーヒー、マカデミアナッツ、パパイヤ、紫芋などの農業残渣を発生させる小農家が多い上、グアバ、ユーカリ、竹など非活用林が多数存在する。また、一般家庭で出るグリーンウェスト(草や枝など)も燃料として使うことができる。
プラスチックゴミの資源循環は海洋生物の生態系を護ることにも繋がる。ハワイ島最南端のカミロビーチでは昨年、24日間の清掃活動が行われた。回収された47トンのゴミのうち96%は484種類のプラスチックゴミだったという。プラスチックゴミを誤って食べたコアホウドリ、ヒメクロアジサシ、ハワイアンモンクシール、ハワイアングリーンシータートル、ザトウクジラなどの海洋生物が腸閉塞により死亡する事例も多数報告されている。
クラウドファンディングで集まった資金は、製炭炉炭化ユニット、消煙型ボイラー、資源・炭置き場の設置や、フォークリフト購入、コンテナ輸送費に使用される予定。詳細はこちら。
文/佐藤リン友紀
(日刊サン 2022.8.23)
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