春が近づき、アメリカ本土の養蜂家は数え切れないほどのハチをトラックに積み込んでカリフォルニア州へ向かっている。
カリフォルニア州のアーモンド農園では白やピンクのアーモンドの花が咲き乱れており、アーモンド農家はアーモンドの実をつけるために必要な受粉活動をハチに行ってもらうために、養蜂家にきてもらうのだ。
養蜂家はハチの受粉活動に対する費用を請求し、またその受粉活動によってもたらされる蜂蜜の販売で生計を立てているが、病気や生息地の減少、殺虫剤などの多くの影響を受けてハチの生息個体数は非常に減少してきている中で、健康なハチの需要はどんどん高くなっている。
10数年前には巣箱1個分のハチによる受粉活動を請け負うと養蜂家が受け取る費用は50ドルだったが、今では230ドルにはねあがっている。
カリフォルニア州のアーモンド農園は推定130万エーカー(およそ526,000エーカー:東京ドーム43,833個分の広さ)と言われているが、この高い価格のためにニューヨーク州はフロリダ州などの東部からも養蜂家が集まっているという。
そして、全米から集まった貴重なハチを盗もうとする泥棒からハチを守ろうと養蜂家たちと農園主は様々な工夫をしているとフォックス・ニュースが伝えている。
ペンシルバニア州中央部では最近6万匹のハチがいた巣箱3個が盗難に遭ったが、この時期のカリフォルニア州では世界でも最大規模のハチの受粉活動が行われており、盗難の規模もより大きくなってくる。
数週間前には数千万円の価値がある1,000個以上の巣箱がアーモンド農園から盗まれたと警察に届け出が出された。
カリフォルニア州養蜂家協会では1万ドルの賞金を出して情報を求めたところ数日後に匿名の連絡があり、55マイル(およそ90キロ)離れた場所で盗まれた巣箱とフォークリフトが見つかり、1人の容疑者が逮捕されている。
このような盗難を阻止しようと、養蜂家は防犯カメラを設置するなど盗難防止の対策をとっているが、GPS装置をハチの巣箱に装着する専門業者もいるほどだという。
今回被害にあったメディナさんはすぐにGPS装置を巣箱につけて、箱の周囲に鉄製ケーブルを巻きつけ、防犯カメラも設置した。
「自分たちを守るためにできることは全てします。誰も助けてくれませんから」
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.2.22)
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