夏真っ盛り! 夏に食欲が減るのはどうして?
夏といえば、冷たいものが美味しい季節ですね。ハワイのように年中温暖で過ごしやすい季節の場所にいても、やはり夏は冷たくて、軽く食べられるものが好まれるのではないでしょうか。
アーユルヴェーダでは、季節と気温、そして環境によって、消化の力が変わると考えられています。これは、消化の火である「アグニ」の状態が、季節や気候によって左右されることに由来します。アグニは、腸のあるあたりにあるとイメージすると良いでしょう。食事をしたものが、胃をとってから小腸と大腸を通って排出されますが、この一連の消化の状態をスムーズに行うために、アグニの状態を調えておくことが必要となります。
アグニは、キャンプファイヤーの火に例えられことが多いので、皆さんの体にも、小さなキャンプファイヤーの火がある様子を想像してみてください。火は、水を極端に多く与えると弱って消えてしまいますね。飲み物を飲みすぎるとアグニが弱まり、アグニが弱いと消化の力が衰えることになります。1日の推奨水分量は1リットルから1.5リットルです。
加えて、米や豆などの水分を含む食事から水分を摂ってください。また、火は、砂を与えすぎると消えてしまいます。食べすぎはアグニが消える原因となります。そして、火を燃やすもの、つまり食事がアグニに届かなくなくなると、火が弱まってしまいます。
このように、私たちの体には小さな火が宿っています。火が夏の暑い時期に燃え盛ると、必要以上に体温が上がってしまいます。それを抑えるために、体は夏になるとアグニを若干弱めて調節を取ろうとします。これにより、消化することのできる分量が減るので、結果として食欲が減る、ということになります。逆に、冬は体温を温めることが必要になるので、アグニは他の季節よりも活発に動こうとします。
初めて聞くと不思議に聞こえるかもしれませんが、私たちが食べるものが、体の状態にとても強く影響していることを知ることは大切です。冷房の効いた環境にいる方は特に、温かいものを飲むように意識すると良いでしょう。
特に夏は、冷やし中華などをはじめとする、食べやすい冷製の食事が好まれる時期かと思いますが、アグニのバランスを保つという観点からは、常温あるいは温かいものをいただくことをお勧めします。冷たいものでアグニを弱めないようにすることが肝心です。忙しい時にも、きちんと3食を摂って、アグニの火を保ち続けてくださいね。
幸せ修行 No.246
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。