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ちょっと役立つ 日本の新製品

薬剤師を支援、監査支援システム

薬剤師を支援、監査支援システム

 年齢のせいか、最近、各種の医薬品やサプリメントにお世話になることが多くなりました。定期的に服用する薬類を服用時に揃えて、飲み忘れのないように気をつけるのですが、どうしても抜けがあったり、数量を間違ったりします。

 多くの人達が犯す失敗らしく、最近では、処方箋に従って服用日時ごとの薬剤と数を、ひとつのビニール袋に揃えてパッキングしたものを薬局で渡されるようになりました。しかし、今度は薬局側に、朝昼晩、何週間分の服用薬剤を、処方箋通りに、薬剤名と数量を間違いなく入れたかどうかを確かめる作業負担が従来以上に課せられるのです。これは患者の病状を左右することもある大切な作業ですが、かなり面倒なもののようです。そこで、考えられたのが処方薬袋の内身の「監査支援システム」です。開発したのは富士フィルム社でシステム名を「PROOFIT」と言います。

 まず、システムに、服用患者情報、処方箋情報、薬剤情報、薬剤師などを登録しておきます。処方薬を監査する際には、患者名と処方箋を指定して、実際に患者に手渡しする「服用薬袋」を光学読み取り器のステージにかざします。通常、薬袋のシートは端数が出たり、ゴム輪で閉じていますが、このシステムではきちんとシート総数を把握します。つまり、薬袋シートの画像情報も予め登録されており、それとシステムにかざされた薬剤シートの光学画像とを比較、計数するのです。そして記録します。もともと、薬剤師による「目視監査」だけだったのを、「機械監査」を加え、自動化して手間を省こうというものです。しかも、「監査記録保管」も自動化され、かなり楽に正確な薬剤の手渡しが出来るようになったのです。

 監査の正確さを高めるだけでなく、監査記録によって薬剤の授受に関する問い合わせにも対応が容易にでき、監査の制度と薬局の安全•安心を飛躍的に高めます。

 実は、薬剤というのはその包装などが頻繁に変更されることがあり、画像情報だけでは登録変更が大変なので、QRコードも併用できるようです。パソコンとPROOFITがあれば、IT捜査に不慣れな人でも、厳密な監査が行えるようになったのです。かなり、専門的な製品なので、価格や導入時やメンテナンスのサービス料金などは公表されていません。ちなみに、これの開発拠点が富士フィルム社の富山部署なのが興味深いところです。富山は昔から「置き薬販売」で有名ですから。つまり、「越中、富山のあんぽんたん~」ですね。

PROOFIT:富士フィルム社のウエブサイトより

 

No.287

となりのおじさん

在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで

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