時間のお話
「ジャネーの法則」を耳にしたことがある方はそう多くはないでしょうが、「年をとるにつれて、時間が早く過ぎるように感じる」といえばほとんどの方が身をもって体験していることでしょう。19世紀、フランスの哲学者であるジャネーが提言した法則で、時間の心理的長さは年齢に反比例するというもの。私もアラサーを迎えて、1日、1週間、1ヶ月、そして1年のなんと短いことかと痛感しています 。
2020年も気づけばもう残すところ後3ヶ月。今年はコロナ騒動もあって、なんだか一瞬のうちに時間が過ぎ去ったように感じてしまいます。
去年の今頃はまだ妹のお腹の中にいた甥も、早1歳の誕生日を迎えようとしています。生まれたばかりの頃は痩せていてフニャフニャしていて、別の生き物のようにすら感じていた甥も、ぷくぷくに太って動き回る1歳児に。もう少しではじめの一歩を踏み出しそうです。彼はこの1年で本当に大きくなって、たくましくなって、文字通り見違えるほどに成長しました。ここからの1年でも、きっと大人をびっくりさせるような瞬間を与えてくれることでしょう。
ところが私ときたら。なんて自虐的になっても仕方ないのですが、コロナもあって体重はやや成長を感じられるものの、これといって何かが変わったわけでもなく、「え、もう10月? 今年もはやいねぇ」なんて去年と一字一句違わぬ言葉を吐き続けています。気がつくと1日もあっという間に終わり、あぁ今日もぐうたらしてしまったなぁ、と思いながら夢の世界へ。時折何かに集中しようとしても、時間は一瞬で消え去ってしまいます。
これではならぬと、最近は頑張って「朝活」を始めました。これまでは完全なる夜型人間で、何をするにも夜の方が捗ると思っていたのですが……これも年齢のせいでしょうか。なんとか7時台には寝床から這い出し、椅子に座ってコーヒーでドーピングをすることにしています。オシャレで洗練された方々のように、朝からランニングしたり勉強したりサーフィンしたり、そんな体力と気力はないのですが、せめて、せめて9時ごろからは勉強なり、家事なりをしようと頑張っています。
これから常夏の島ハワイでもゆっくりと秋が深まっていきます。日没が早まり、これまで以上に「1日あっという間だった」と感じるようになるでしょう。ジャネーに少しでも抗うべく、限りある時間を有意義に過ごしたいと思う私なのでした。
CAN OF ALOHA No.40
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_channel をご覧ください。