歩けば安くなる! 健康応援型保険
以前、友人の息子さんの進路相談を受けた時、その子は数学が得意で「数学コンテスト」でハワイ州の代表になり全米大会にも出たことがあるのを知っていたので、「保険数学」を目指したらどうかと勧めたことがあります。
保険は、何かが起こりうる確率を統計データなどを基に計算し、保険金と掛け金を割り出すということから、成り立っています。「リスク計算」などとも言われ、このスペシャリストは希少で保険会社の間で引っ張りだこだったのです。
今や、コロナ、台風や大雨などの自然災害が頻発し、自動車保険、家屋保険や医療保険などだけでなく、種々雑多な保険が必要とされる時代になりました。
何かあった際に、保険金を受けとるのは当然として、契約期間中の体験によって、掛け金が変化すると言う、面白い保険商品を紹介します。「歩くとおトク保険」という日本初の医療保険です。
専用アプリで計測記録した歩数とBMIが、翌月の保険料割引に反映されるというものです。前月の平均歩数と身長・体重から算出されるBMIで決まり、保険の掛け金が最大35%程度まで割引があるそうです。「健康増進型保険」といわれるものです。
BMIは「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で算出され、「22」が適正体重とされる。日本肥満学会では「18.5~24.9」が「ふつう」で、それより指数が小さければ「やせ」、大きければ「肥満」と判定しています。
歩数の測り方は簡単で、スマホに当該保険会社(ジャストインケース社)のアプリをダウンロードし、身長と体重を入力します。アップルの「ヘルスキット」やGoogleの「Googleヘルス」と連携させて歩数の記録を取り込むようになっています。
保障内容は幅広く、がん、心疾患、脳血管疾患の3大疾病による1泊以上の入院・手術で60万円、糖尿病など5大疾病による1泊以上の入院・手術なら30万円、そのほかの病気やケガによる1泊以上の入院で10万円の一時金が支払われるというものです。
さて、歩くとどれくらい得になるのでしょうか? 例えば、A子さん(46才女性・160cm・60kg)の場合、月々の基本的な保険料は2190円。それが、1カ月の平均歩数が1日5000歩だと1778円、1万歩なら1680円に減額されます。設定の最大歩数の1万6000歩だと1395円で、なんと36.3%も割引される計算です。続ければ1年で1万円ほど保険料が安くなるという勘定です。
健康応援型の保険としては、一定期間、健康であれば、キャッシュバックがある商品もありますが、毎月の歩数が次の月の掛け金に反映される保険は初めてです!
No.273
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで