私の学校嫌いは筋金入り。小学校の頃から学校に行きたくなくて仕方なくて、いかにサボるか、その言い訳ばかりを考えていたことを覚えています。決して学校でトラブルがあったとかそういうわけではなく、ただただ、ぐうたらだったのです。 

　お腹痛い、頭痛いと言っても母はお見通しな上に、「狼少女」のレッテルを貼られること間違いなし。本当に休みたいときに休めないのでは本末転倒、さてどうすれば、と毎日考えていました。今思えば、その頭をもっと他のことに使えば、人生違っていたかもしれません。 

　とはいえ、思い返してみると、いくつかの好きな教科はありました。例えば国語や美術はまだマシ。暗記する気はさらさらないけれど、史料集をぼけっと眺めるのは好きだったので歴史はOK。計算はしたくないけれど、座っているだけでいいので数学も許容範囲。ずば抜けて嫌いだったのが体育と家庭科でした。体育は単に運動音痴だから。クラスメートの前で恥を晒すだけの時間をどうして好きになれるというのでしょう。着替えが面倒臭いというのも大きな理由でした。家庭科は何が苦手だ、嫌いだ、というより、本能的に受け付けない授業だったという他ないほどに、苦手意識もとい嫌悪感さえ覚えていました。 

　月日が経って、一人暮らしを始めたとき、やっぱり家庭科をちゃんとやっておくんだった！ と後悔の嵐でした。なんて、大嘘です。その頃はすでにインターネットもあったので、全てグーグル教授に尋ねることで解決しました。そもそも、裁縫の機会なんて滅多になかったし、料理といっても簡単なもののローテーションにコンビニ弁当をプラス。とても人様にはお見せできないような生活を送ってきたことはここだけの秘密です。 

　そこからさらに月日が経ち、先輩の結婚式で「結婚に大切な三つの袋は給料袋、堪忍袋、そして胃袋」というテッパンのスピーチを聞き、私は、はたと気づくのです。このままではまずいのではないか、と。それまではせいぜい通知表の家庭科の欄が悲しいことになるとか、自分の舌が自分を責め始めるとかその程度で済んでいたのですが、理想のダーリンと巡り会うにはこれではいけません。ついに私も一念発起、相手も決まっていないうちに花嫁修行を開始したのです。 

　とこれまた大嘘。気持ちの上ではその通りなのですが、まーったく何もしていません。今では、料理上手な殿方とゴールインする方法を考えています。悲しいかな、欠席の理由を考えあぐねていたあの頃とまるで変わりません。なぜ私はこんなにもぐうたらなのでしょうか。敬愛してやまないグーグル教授にも聞いてみたのですが、彼をして、その答えはまだ出ないようです。