マグロ初競りの攻防(PART4)
実際の市場の様子はどんな感じなのでしょうか? それでは、実際の競り場の様子を覗いて見ましょう。一般の見学者が東京、豊洲市場を見学できるのは朝5時からとなっています。実際の生マグロの競りは、通常5時半の鐘の音を合図にスタートします。今は、旧築地市場時代と違って、豊洲市場の水産卸売場棟の2階の見学者通路から窓越しに覗き込むようになります。
ところで、豊洲市場へ行く一番便利な方法は“ゆりかもめ”の電車で豊洲を目指し、“市場前駅”で降車します。そこから市場へと歩きますが、慣れていないと少し迷います。それぞれ青果棟(5街区)、水産仲卸場棟(6街区)、水産卸場棟(7街区)に別れており、目的地は“水産卸売場棟”になります。
競りは、その日のマグロの本数によりますが1時間もすれば終わってしまいす。いつでも人数に関係なく見学ができるようになっていますが、なにぶん2階からの窓越しですので、築地市場のような臨場感を味わうにはちょっと寂しい感じは否めません。 競り値は、「手やり」と呼ばれる、指のサインのやりとりをしているのはご存知のとおりです。競り場のごった返しているような喧騒の中でも、きちんとしたやり取りがしっかりと展開されているわけです。
人さし指は“1”となり、人差し指と中指をそろえて出すと“2”、人差し指を立て、いったん下ろしてから、もう一度出すと“1・1(ピンピン)”。人さし指を立てたまま、中指を立てたり下ろしたりすると“1・2(インニー)”と言う具合で、あっという間のやり取りです。それで、1100円、1200円が提示されたり、同じ指でも場面では1万1000円、1万2000円を示している時もあるわけです。こうして、多数の仲買さんが出してくる「手やり」の中から、最も高い値段を出した人がマグロを競り落としていきます。
勝負は一瞬で決まる時もあれば、狙ったマグロをどうしても落としたければ、二者間で値を出し合いながら価格が釣り上がっり熱くなり過ぎて、金に糸目をつけない「勝った、殺られた」の世界に突入することもしばしばです。果たして今年初競りの場面での一本のマグロが1億9千万円落札者の心中はどうだったのでしょうか。
ハワイでのマグロを含めた鮮魚の競り場は、豊洲のそれ大きく違ってきます。ハワイに住んでおられる方、ハワイを訪れられる方には、ぜひ一度は訪れてみて欲しい所です。ホノルル港のPIRE38(38番桟橋)に入り、桟橋の最後の建物が市場となっています。週には6日間行われている鮮魚の競りが行われています。朝5時半から鐘の音と共に競りが始まります。
ここでは床一面に並ばれたマグロや他の魚類、そして競りをすぐ近くで見学できるので、素晴らしい体験になりますね。