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Study in Hawaii|ハワイで学ぶ 学校に残したものを引き取りに、 久しぶりに学校へ
春休みからそのまま学校閉鎖となったハワイの公立小中高校。現在児童たちは夏休みに入っている。3月から5月27日の最終登校予定日まで、1日も登校することがなかったため、教室に残した自分の勉強道具などを引き取りに行く、という日が6月の初めにあった。これは各学校によって日程はが違ったようだが、州内の公立学校すべてで実施された。
当日は久しぶりに担任の先生に会えるとあって、わが家のキンダーガーテンに通う6歳の次女は、その日を指折り数えて待っていた様子だ。2か月以上ぶりに、自分が通っていた学校へ行く。しかし、教室に入ることは許されず、クラスメートもソーシャルディスタンシングを確保するために時間に余裕をもって90分間の間に来るように、と招集されていた。その場にいる担任の先生も教職員も、そして子どもたち、保護者まで全員がマスク着用が義務。ひさしぶりの時間を共有するものの、ハワイでは普通のハグもない、どことなく躊躇しながら、間合いを測りながらの、新しいコミュニケーションの方法。それがこれからのニューノーマルになっていくと考えると、すこし寂しいというか、戸惑うというか。そんな印象だったようだ。
大人でさえ戸惑ういまの状況。まだ小さな子どもたちは、そのうちに慣れてしまい、今後は「これが普通だ」と思うことだろうが、世の中の動き、変化が理解できないだろう。
教室に残したノートブックや鉛筆、マーカーといった自分のアイテムをひとまとめにして、持ち帰り、今学期の予定はすべて終了した次第。
ハワイ州教育省を取り巻く
コロナ禍の動きは以下の通り
3月4日にイゲ州知事が新型コロナウィルスについて初めて言及して以来、ハワイ州教育省もハワイ州の公立学校も対応に追われてきた。この時点ではまさか、こんなに長く続く騒動になるとは誰も想像だにできなかったことだろう。
3月16日 春休みを延長し3月27日までとすると発表
3月19日 教職員全員が自宅での業務を開始
3月20日 一斉テストのキャンセルを発表
3月23日 州がStay at Homeを発令。4月30日までの学校閉鎖を決定。同日ハワイ州内で児童へのGrab N go朝食&昼食配給を開始。
4月2日 卒業資格について変更を検討開始
4月15日 卒業規定の変更を発表
4月30日 2020年の卒業プランについて正式発表
5月15日 キャンベル高校ではじめてのバーチャル卒業式を実施
5月19日 2020年のサマースクール・プランを発表(オンラインにより実施)。同日朝食&昼食の配給Grab N Goの7月までの延長を発表
5月27日 最終登校予定日
1日も登校することなく
2019-20の最終学期は終了
5月27日までの期間、小学生の長女は毎日オンラインで先生やクラスメートとのミーティングを実施。一方同じ学校のキンダーガーテンの次女はオンラインミーティングは週に1回程度。クラスや学年によって、そのやり方は異なるようであった。
ある日のGoogle Classroomでのオンライン・ミーティングを見る機会があった。子どもたちは「ハーイ」と名前を呼び合い、手を振って笑いながら会話を楽しむ。先生からは毎日の過ごし方、どんなことをすべきかについて問われたりしているが、全員とのコミュニケーションはなかなか難しい。
コロナという災いでの学校生活。すでに夏休みに突入し、各自、家での勉強を率先して行わなければならない。親の直接指導が不足すると、子どもたちの学力低下も懸念される。学習支援をどのようにするかが問われてもいる。外国人がハワイで暮らすにあたり、学校との交流をさらに深め、情報を自ら取りに行く必要性を感じ、それらについて考えるきっかけにもなった。8月の新学期を迎え、スタートダッシュを図るためにも、この時期、規則正しい生活を送り、毎日の地道な学習時間も必要となる。
(取材・文 鶴丸貴敏)
(日刊サン 2020.6.19)