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コロナ禍における卒業式典に参加したママに、お気持ちを聞きました

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コロナ禍における卒業式典に参加したママに、お気持ちを聞きました

カイルア在住 松川 ともこ さん

 カイルアに住む松川カイアさん(14歳)はこの5月、10年通った学校を卒業する予定でした。それが突然のコロナ騒動。春休み明けから学校閉鎖となり、それが延びに延び、4学期目がすべて休校となってしまった。カイアさんは今年ミドルスクール卒業です。お友だちと迎える卒業式をとても楽しみにしていたのですが、残念ながら卒業式典も中止に。ところが、急遽5日前に学校から連絡があり、一転開催することになったそう。お母さんのともこさんの視点で、このコロナ禍の卒業式について、お気持ちをうかがってみました。

                                         (取材・文 鶴丸貴敏)

コロナ騒動の卒業式典に 出席したママの複雑な気持ち

「今日娘の中学校の卒業式が行われました。もう既に学校は終了したのですが、5日前にアナウンスがあり急遽、式典開催が決まりました。4〜14才まで通った学校です。カイルアにある小さな学校で、同級生はたった15人です。

 皆、兄弟のように育ち、ハイスクールはそれぞれ違う学校に進みます。こうして綴るだけでも、いろんな想いが戻ってきて涙が止まらなくなりそうです。

 この卒業式、『触ることができない卒業式』でした。ハグもキスもありません。本来ハワイの卒業式とは全く違う他のプラネットに来てしまったような感覚に陥りました。『これ、何かの訓練や予行練習では?』と感じてしまう。まったくリアルに感じないんです。

 そんな異例の式の中で、他人と接触したいし、対面で関係を持ちたい。楽しいことをするためにいっぱい集まりたい! という基本的な人間の欲求は一生変わらないんだと確信しました。

 子どもたちも私たちも、その欲求を実現するためにいったいどういうオプションがあるのか、何が出来るか。今回の出来事でリアルに接触することがどれだけ大事で、ITでできることの限界はどこか、など色々学びました。

 みんなが少しずつ賢くなってカルチャーを作り替えていくんですね。そして、それは今の若い世代のこの子達が何を選択するかにかかっていると思います」

 ともこさんや旦那さまは、学校からの突然の連絡に戸惑いを覚えながらも、当日を迎え、学校に向かったといいます。静寂の中進む式典に違和感を覚えたそうです。誰にとっても卒業式は一生の思い出になりますが、2020年の卒業式は「ほんとうに記憶に残るものになる」といいます。無事に卒業式を終え、家族で写真におさまる松川さんご家族。

 最後に「なんとも言えない雰囲気でしたが、卒業式典ができただけでもありがたい気持ちでいっぱいです。でも、こんな形の卒業式は、今年だけでじゅうぶんですね」

 その一言に、ともこさんのお気持ちが表れている。

 カイアさん、ご卒業おめでとうございます。

 


 

(日刊サン 2020.5.29)

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