春、四月。玄関先に風に舞ったピンクの桜の花びらが舞い込み、ふっと心が和みました。“大手町働き女子”の私の会社も、新型コロナのため3月後半から本格的に在宅でのリモートワークに移行。本来なら、年度が変わる多忙な時期ですが、現在は家の机でパソコンに向かっています。
ガラッと変わる東京
コラムを書く2週間ごとに、東京での生活も日々悪いほうへと変化。マスコミ系の職場のため、普段のオフィスでは音を消したテレビが局を変えて何台も流れています。在宅ワーク中も、習慣でリビングのテレビは画像を流しっぱなし。3月30日、1週間が始まったばかりの月曜日の朝10時すぎ。心が一瞬にして凍るテロップが流れました。新型コロナで入院中だった志村けんさんが亡くなったというのです。
日本が凍る出来事
日本では生放送の朝のワイドショウが続いている時間です。お笑いが本業のMCの顔色も蒼白となり、スタジオが静まりました。
すぐ先日までテレビに出て動物と触れ合い、大昔の恋人とのエピソードを面白く披露していた志村さん。そんな日常をあまりにも、アッサリ断ち切ってしまう病原体。我が家の13歳の娘も「志村どうぶつ園」の大ファン。昨年の夏休みには番組に出るチンパンジーがいる熊本・阿蘇の動物園まで旅行しました。大人から子どもまで世代を超えて親しまれていた日本が愛した「おじさん」。またいつでもテレビで会えると思っていただけに、日本中の意識がガラッと変化した出来事でした。
都知事が呼びかけ
東京都では連日小池都知事が市民に外出自粛を要請し、感染爆発の言葉を連呼します。「三密(密閉、密集、密接)」を避けましょうと呼びかけます。4月に入り感染者の数はみるみる増加しました。毎日夕方に発表される「1日の感染者」の数字を恐々と見守っていましたが、4月4日に初めて100人を突破。イタリアやニューヨーク、2週間以上も前から外出禁止となっているハワイなど、さらに深刻な状況を見ると東京はまだまだ甘いのかもしれません。それでも、日々息を潜めるように生活し、大人もこどもも家の中でじっと過ごす毎日です。
芸能人もテレワーク
この週末からは、芸能人の「テレワーク」が始まりました。土曜昼間の人気情報番組「王様のブランチ」の画面に見慣れない窓。近づいてみると、スタジオでの収録を避けて4人程のレギュラー出演者が自宅などから番組に出演してしました。
芸能人も「テレワーク」で番組に出演。新スタートのドラマの放送開始も遅れ、再放送や総集編が多くなっています。 |
私の場合は…?
実は私も3月20日頃に1日だけ38度の熱が出て、その後平熱に戻った後のどが痛み、37度の熱がダラダラと10日程続きました。ただし、日本の基準では37度5分以上の熱が4日以上続かないと検査はできせん。それ以前に、最寄りの保健所の電話は1日中話し中で、つながる気配がありません。
その後体調は回復しましたが、何だったのでしょうか? 次回のコラムには少しでも希望が灯る話題をお届けすることを祈って。今は耐える時期です。
ひっそりと咲き、散っていった今年の桜。ちゃんとお花見できず、ごめんなさい。 |
竹下聖(たけしたひじり)
東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。
(日刊サン 2020.4.11)