フロリダ州の2大観光拠点間であるマイアミとオーランドを結ぶ民間所有の高速旅客列車サービス「ブライトライン」が、22日(金)に開通したとAP通信が伝えている。
ブライトラインは、オーナーのフォートレス・インベストメント・グループが50億ドルを投じているビジネスで、マイアミとオーランド間の235マイル(約378キロ)を、通常のドライブよりも30分ほど早い3時間半かけて移動する。なお、最終的には年間800万人が利用すると見込まれている。
乗車料金は、ビジネスクラスは往復158ドル、ファーストクラスは往復298ドルで、家族やグループは往復398ドルで4枚購入できる。毎日32本の列車が運行される予定だ。
ネオンイエローの車体が特徴的なブライトラインは、2018年にマイアミとウェストパームビーチ間の70マイル(約112キロ)で運行が開始された。開通当時、100年ぶりに米国で運行を開始した民間の都市間旅客サービスであった。
22日(金)のマイアミ〜オーランド間の運行開始は、歩行者がはねられ死亡する事故によって台無しにされた。デルレイビーチ警察のテッド・ホワイト公共安全担当官によれば、この身元不明の乗客は、デルレイビーチで未明に南行きのブライトラインにはねられたという。
この死亡事故は、民営鉄道の2023年で12人目、2017年7月以来98人目の事故である。これは同社の列車走行約3万3000マイルごとに1人の死者が出ていることになり、全米の800以上の鉄道会社の中で最悪の死亡率であることが、2019年に始まったAP通信の分析で明らかになった。しかし、ブライトラインの死因のうち、鉄道のせいだと判明したものはなく、そのほとんどは自殺か、列車より先に線路を駆け抜けようとした歩行者か、踏切を待たずに回避しようとした運転手だとされている。
なお、ブライトラインは南カリフォルニアとラスベガスを結ぶ路線も建設中で、時速190マイル(時速約305キロ)で2027年の開通を目指している。その他の米国の高速路線は、2000年に始まったアムトラックのボストンとワシントンD.C.間のアセラ・サービスだけである。アムトラックは連邦政府が所有している。
シェアする