ハワイでは手頃な価格の住宅が決定的に不足しているが、10月にオープン予定の新コンドミニアムでは、手頃なユニットの販売に苦戦しているようだ。
ホノルル・スター・アドバタイザーの報道によると、ホノルルの一等地に建設中の高層タワー「スカイ・アラモアナ」では、市場価格のコンドミニアムは56万8800ドルから130万ドルで完売しているが、市の手ごろな価格の住宅供給プログラムに基づく約27万ドルから51万5000ドルの84戸のうち、過去9カ月で売れたのはわずか14戸のみだという。
手頃な価格のユニットのほとんどがワンルームタイプだが、中には1ベッドルームや2ベッドルームのユニットもある。これらの住宅の購入者は、オアフ島の中央収入値を大きく上回らないことなど、市が定めた条件を満たす必要がある。スカイ・アラモアナの場合、いくつかの要因が購入希望者にとって懸念材料となっているようだ。
考えられる要因としては、ワンルームでは居住スペースが290平方フィートから299平方フィートしかないことや、プールなどのアメニティ施設を利用できないこと、駐車スペースはオプションとなり購入には3万8000ドルかかること、購入者が10年から30年以内に家を売却する場合は売却価格に制限があることなどである。
売却制限期間中、購入者はそのユニットに住まなければならず、市の特別許可がない限り貸し出すことはできない。住宅市場アナリストのリッキー・キャシデイ氏は、最もネックとなるのは長期的な転売規制だと見ている。「単身でワンルームを購入した人が、その後結婚して子どもができた場合、窮屈な生活を強いられるか、市場価格を大幅に下回る価格で売却せざるを得なくなるわけで、買い手を知らなさすぎる」と同氏は語る。
スカイ・アラモアナは東西2棟のタワーから成り、手頃な価格の住宅84戸は東タワーの最下層6階部分、25階建てホテルユニットの下にあたる。市場価格のコンドミニアムはすべて36階建ての西側のタワーにある。両タワーの下には8階建ての基壇部分があり、ここには駐車場と1階に小売店やレストランなどが入った複合施設となる。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.8.7)