ニューヨーク滞在の日々に飽きることはありません。セントラルスクエアを中心には映画館や劇場が多くあり、初公開の映画や、新作、ロングランのブロードウェーショーも楽しむことができます。エンターテインメントの聖地と言えるでしょう。私は2回目とはなりましたが、“The Panthom of the Opera(オペラ座の怪人)”を観ました。オペラ座の怪人は、初演から32年も続いていて歴代ブロードウェイ作品の中で最長ミュージカルとしてギネス記録を更新し続けています。やはり生の声と生演奏での劇場感には圧倒されてしまいます。
また、マンハッタン129通りにあるハーレムジャズ博物館で行われていたジャズ生演奏も感動でした。ハーレム街には久しぶりに足を運んだのですが、歩道を埋める屋台や露店、街角のスピーカーで聖書を手に路傍伝道者など、ハーレムお馴染みの風景も懐かしく思いました。
セントラルパーク東のメトロポリタン美術館もその一つです。世界最大級で収蔵品は200万点以上あり、館内は広く部屋数も多くあって、とても一日で見られるものではありません。館内で容易に迷ってしまいがちです。私は興味、関心のあるところだけを目指します。私はヨーロッパ中世後期から印象派の絵画や、アメリカ絵画の初期からの絵画に親しみを感じます。4年前までの入館料は「Pay as you wish(お気持ちで)」というポリシーで、希望する額だけを支払えば入館することができました。今はなくなりましたが、アメリカらしさを感じていました。
さらに、ニューヨークで忘れてはならない場所が、2001年の9月11日の同時多発テロ事件で2983名の命が犠牲となったグラウンド・ゼロと呼ばれる場所です。ワールドトレードセンターが建っていた場所は、今はメモリアルパークで犠牲者の慰霊碑があります。多数の名前が刻まれた名前のひとつに赤いバラの花が添えられていました。
事件当日、私はニューハンプシャーのマグロの競り場にいてテレビで見ていました。一週間後にハドソン川の反対側を車を走っていたのですが、まだ煙が立ち上っていた遠くの光景を思い出します。
34通りエンパイアステートビル、メーシーズや、42丁目グランドセントラル駅、そしてチャイナタウン、また自由の女神像を一望できるマンハッタン最南端のバッテリーパーク、ハドソン川沿いの遊歩道、ユニオンスクエアまでも歩きました。歩いていればバンクシーの作品展示館や、村上隆の作品展示館にも遭遇し、思いがけない観賞を楽しみました。
エネルギーに満ちたニューヨークは昼夜静まることありません。そこに喧騒、混沌、葛藤がありながらも、慰労や平安も混じり合い発展しているように思います。何があっても起きてもバランスを取りながら生き続けるニューヨークようです。