ハワイの空港は今、ホリデーをパラダイスで過ごそうという観光客で混雑しているが、一部のホテルでは空室がまだあるという。例年なら、クリスマスから元日にかけてのホリデーシーズンは、ハワイのホテルは超繁忙期で、宿泊代金も高額に設定されている。しかし、クリスマスまであと数日となっているにもかかわらず、オアフ島の一部ホテルは客室が埋まっていない。
ハワイ観光の主要マーケットであるアメリカ本土からの客足が遠のいているのだ。今年の物価高騰は、パンデミック中に自宅に籠もっていた間に、蓄えられていた貯蓄をむしばみ、今後やってくると伝えられている景気後退予想も原因となり、消費を控える傾向がでているという。日本を含め、海外からの観光客の回復もまだ遅い。結果として、ホリデー時期に設定されている最低宿泊数の設定などを取り除き、駐車場代金やリゾートフィーなどに対する割引を行うホテルが出てきている。中には、朝食無料や1泊無料などのお得な特典を出すホテルもある。
そしてホリデー時期には非常に珍しいハワイ住民に対する「カマアイナ割引」の利用ができるところもあり、クリスマスや元日にもまだ間に合うホテルもあるという。
アメリカホテル宿泊協会のハワイ担当、ケコア・マクレラン氏は次のように述べている。「ハワイのホテルでは、年末最後の2週間は毎年売り切れの状態です。ところが今年はワイキキのホテルでは40%や50%という稼働率となっていて、多くのホテルではクリスマスでも85%から90%という予約状況です。ハワイのクリスマス時期に「カマアイナ割引」を行なっているというのを今まで私は見たことがありません」
ヒルトングループのハワイ・フレンチポリネシア担当副社長のデューク・E・アーモー氏も「カマアイナ割引」について語っている。「今年の年末年始は『カマアイナ割引』をお使いいただけます。パンデミック前と比較して海外からのお客様が非常に少ないことが原因です。ヒルトン・ハワイアン・ヴィレッジでは最高30%オフ、ハワイ島のヒルトン・ワイコロア・ヴィレッジでは最高47%オフになります。例年ですと、年末年始をハワイで過ごす日本人のお客様がたくさんいらっしゃるのですが、新型コロナウィルス感染の危険性から海外旅行に対して消極的であること、アメリカ本土の旅行者は、旅行規制の解除と外貨為替でドルが強いことから、(ハワイではなく)海外へ旅行する傾向が見られています」
プリンス・ワイキキでは、12月23日から1月2日までカマアイナを対象に特別料金を設定しており、来年1月中に予約すると2023年12月22日までカマアイナ価格で宿泊できるという。
アウトリガー・リーフ・ワイキキビーチでは通常ホリデー時期に行っていない「カマアイナ割引」の適用に対応している。さらに駐車代金半額、リゾートフィー無料などの特典付きだ。
高級ホテルとして有名なハレクラニでも「4泊すると5泊目無料」のパッケージを提供している。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.12.21)