【ハワイニュース】マウナロア山、当局による監視続く 「火山警報システム」への注視呼びかけ
ハワイ島で地震が頻繁に観測されていることを受け、米地質調査所(United States Geological Survey:USGS)はマウナロア山の注視を続けている。
ハワイ・ニュース・ナウの報道によると、現在、マウナロア山に差し迫った噴火の兆候はないものの、当局は住民に避難の準備をしておくよう再三にわたり呼びかけている。また、ハワイ郡はアドバイザリー・システムを使用し、最新情報を毎日更新している。
マウナロア山頂上付近での地震活動は活発なままだ。調査にあたっている専門家によると、26日にはマグニチュード3以下の地震が約20回観測された。ハワイ火山天文台の地質学者、マイク・ゼーラー氏によると、マウナロアでは9月、2週間連続で1日40回以上の地震が発生し、うち2日間は1日100回以上の地震が観測された。
ハワイ火山観測所(Hawaii Volcano Observatory: HVO)とUSGSでは、空と地上、2箇所からの観測結果に準じた独自の火山警報システムを採用している。
地上ベースの火山警報システムは、通常(normal)、勧告(advisory)、注意(watch)、警告(warning)と4つのレベルで構成されている。航空警報システムは火山灰の排出による危険性を示すもので、低い方からグリーン、イエロー、オレンジ、レッドの4色のカラーコードで示される。通常、これら2つの警報システムのレベルは並行している。
現在、マウナロア山の火山警報システムは「イエロー」と「勧告」レベルにある。このレベルは2019年以来のことで、現在把握されている火山活動を上回る活動が起こる可能性を示している。警報システムが現在示しているレベルについて、ゼーラー氏は次のように述べた。
「火山内のマグマが、通常よりもわずかに地表に近く、浅いところに移動しているものの、噴火が差し迫っていることを示唆するレベルにはまだ達していないことを示している。これが現在、警報システムを『オレンジ』と『注意』レベルに移行させていない理由だ」
「オレンジ」と「注意」は、噴火が差し迫っている、または進行中であることを意味し、「レッド」と「警告」は、噴火が差し迫っている、または危険な火山活動が進行中であることを意味する。HVOによると、警戒レベルとカラーコードは特定の避難誘導に関連付けられておらず、避難誘導に関する決定は、ハワイ郡民間防衛局に委ねられている。
ハワイ郡民間防衛局のタルマッジ・マグノ局長は、「マウナロアの傾斜の角度と亀裂までの距離に基づき、カウ地区とサウスコナ地区が最初に噴火の影響を受けると予想されている」と話した。
米赤十字社もこの状況を監視しており、必要に応じて24時間以内に動員する準備ができているという。赤十字社のマシュー・ウェルス氏によると、パハラ地区のカマニ・ストリートにあるハーケス・ジムでコミュニティ・ミーティングが定期的に開催されており、世界最大の活火山であるマウナロアの現在の状況や、噴火した場合の計画について話し合っている。ミーティングには、マグノ氏とHVOトップで地質学者のケン・ホン氏が参加している。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.10.28)