インドには、地元の人が通うためのアーユルヴェーダ病院から、海外の人向けの病院まで、さまざまなものがあります。私がいくつかの病院を訪ねた結果、肌感覚で感じた「アーユルヴェーダの病院には、〇〇がない!」を2つお届けいたします。
まず、アーユルヴェーダの病院には、「テレビ」がありません。もちろんオフィスにテレビがあったり、授業の目的でテレビやスクリーンがあることは別として、部屋でテレビ観賞ができないのです。これ、実は、アーユルヴェーダではとても理にかなっていることなんですよね。目は脳の入り口であるという認識から、視覚からの刺激を避けることを目的にしています。
私たちは、常にスマホやパソコンでスクリーンを見て生活していますから、病院滞在中は、テレビの鑑賞は避けたいものです。病院によっては、DVDやストリーミングの動画の持ち込み禁止、と書いてあるところもあります。日常生活でも、可能な限り、視覚に入るものには注意を払いたいものです。
次に、アーユルヴェーダの病院には、ドライヤーがありません。病院の敷地内で散歩をしていると、自然と髪が乾きます。文化的にドライヤーを使わないだけでは? と思った方、そうではないんです。
ドライヤーは、風と熱を使って髪を乾かしますよね。これは、アーユルヴェーダの視点からすると、あまり良くないのです。風が長い時間髪に当たると、「ヴァータ」と呼ばれる風のエネルギーが増え、これが髪を細くする原因になると言われています。また、頭は温めないようにすることが大切なので、熱を長時間あてるのは理想的ではありません。
日常生活においては、ドライヤーの使用は問題ありませんが、このような視点があるのだと知っておくと良いでしょう。髪を乾かさずに頭が冷えた状態でいることを勧めているわけではありませんので、ドライヤーを使わない人は、十分にタオルで髪を乾かすように気をつけてくださいね。
他にも、病院ではきのこ類や辛いものを食べなかったり、治療中は発酵食品も食べません。私たちが食べるもの、着るもの、目で見るもの、それら全てが私たちの生活に影響を与えます。実は、病院によっては「お化粧道具を持ってこないでください」と書いているところもあります。これは、化粧品によって肌が受ける刺激が治療の邪魔をするという考え方に基づきます。
大切なのは、自分の行動や習慣が、全て自分の生活に影響を与えていると知ることです。
幸せ修行 No.275
加藤ジェシカ
世界中50か国以上を旅する中で、地球にはエネルギーのような何かが存在することに気づく。2017年、ヨガの勉強を通してアーユルヴェーダに出会い、渡印。日常に寄り添うアーユルヴェーダがテーマ。
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