京都市の東福寺で17日、日本最古の共同トイレとされる築700年の建物に、文化財保護団体職員の運転する車が誤って後ろから突っ込むという事故があった。

警察によると、事故の原因は、運転手がギアがバックに入っていることに気づかずにアクセルを踏んだことだった。運転手は事故直後に警察に通報した。けが人はいなかった。

英メディアBBCの報道によると、東福寺広報の宇野虓堂氏は、「この事故で、室町時代(1336-1573)前期に建てられた共同トイレの扉が損傷した」と話した。

事故後の映像には、裂けた木片が建物の床に散乱する様子が写っているが、内部は無傷だった。

この共同トイレは、明治時代初頭まで100人以上の修行僧に使われていたことから「百雪隠(ひゃくせっちん)」という呼び名が付いた。実際には、一度に使用できる人数は最大40人で、建築物の両側に20個ずつ穴が並んでいる。

百雪隠は1902年、国の重要文化財に指定されている。

東福寺研究所所長の石川俊夫氏は、事故の規模に「唖然とした」と話した。扉は修復可能だが、元の状態に戻すには多くの作業が必要になるという。

宇野氏は、「寺の管理部門では、破損した扉の修復の最善の方法について協議している。負傷者がひとりも出ず、扉が修復可能な状態にあることは不幸中の幸いだった」と話した。