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【アラ古希からのユルユラAlohaマインド】月下美人
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われてきたにも拘らず、地球温暖化のせいなのか、毎年季節がずれてしまってきている気がするこの頃です。
10月に入りひと雨ふり、昨日の暑さをわすれてカーディガンを羽織りました。道端の名も無き小さなピンクや紫色の花に雨粒がひとつふたつ残っているのを見ると愛おしさがつのり、「綺麗ね~」と声をかけ、「あなたはの名前はなんというのかしら?」と問いかけたくなってしまうのです。私はどうも、花の名前音痴のオバサンから、おばあさんに。情けない…。
ふと、私がまだ小学校の低学年のころを思い出しました。父が脳溢血の後、家で静養をしていた時期があったのです。そのころの父の趣味は観賞魚や鉢植えでした。壁一面に、小さく綺麗な熱帯魚のケースが並べられていたり、鉢植えの花を集めてもいました。
その中に、夜に咲くという花があり、咲くのを見るまで寝てはいけないと言われて、遅くまで起きていた記憶があります。
スローモーションのように咲き始めた真っ白な大きな一輪の花、その名は「月下美人」と聞かされました。月下美人の開花は夜の8時ごろから深夜にかけてで、それはほんの数時間の命。夜咲きなので公共の施設ではめったに見ることはできません。香り高い花が刻々と咲き進む様子を、家族や友人と共に楽しむ月下美人……。
月下美人の花言葉は「儚い美」「秘めた情熱」「一度だけ会いたくて」です。この花は1日しか咲かず、それも夜に人知れずひっそりと咲くことから、儚い、秘めた、会いたいなどの花言葉がついたようです。日本では鉢植えにして育てられている人気の植物のひとつです。
10月7日から1週間、東京都美術館の「東京展」の会期が始まりました。6日は設営でした。家で制作をしている時は大きいと思っていました作品でしたが、美術館の壁面では小さな作品に見えました。イメージを膨らませてコツコツと1年がかりで創った作品ですが、1週間の会期だけが人々に見てもらえる瞬間です。
皆さまの力作の前では自作は、秋の数本の秋桜(コスモス)くらいにささやかです。でも、一生懸命に制作した時間に悔いはありません。また来年は、新作にどのようにチャレンジしていこうかと、はやくも胸が躍ってきます。
年に一度の「東京展」への作品作りは、私にとって「儚い美」「秘めた情熱」「一度だけ会いたくて」の花言葉と同じ。来年も私だけの「月下美人」を作り出していきたいです。
これからの人生へ アラ古希からのユルユラAlohaマインド No.119
蒼井 絹子
北海道生まれ。学習院女子短期大学英文科卒業。
1984年「ベルーシの涙は、スニーカーブルース」が、NHK北海道ラジオ創作ドラマで採用
1987~89年 3人の小学生の子供達を連れて渡米。シアトルのグリッフィンカレッジに 留学・卒業。シアトル日本語放送局にて番組を担当
1994年 北海道にて、陶芸工房【G-club】を開設
1997~2001年 北の生活産業デザインコンペにて入選・入賞
2002年 財団法人中小企業総合研究機構会長賞を「マグネット・アート」で受賞
2003年 東京に工房・オフィスを開設
2011年 日本旅行作家協会入会。東京都TASKものづくりコンテストにて奨励賞を受賞
2012年 東京都美術館「東京展」にて「マグネットアート」入選
2014年7月7日より、ハワイマッサージアカデミーへM-1(技術取得ビザ)にて留学
2015年1月17日 同校卒業
2020年12月 著書「人生の“サバティカル”留学」を上梓