不正薬物取締局(DEA:Drug Enforcement Administration)は未成年者の保護者に向けて公共安全に関する警告を発表したとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
発表では、フェンタニル(Fentanyl)とは何か、その危険性などについて説明している。また、未成年者をターゲットにしてソーシャルメディアを利用した不正薬物販売が行われていることに言及し、保護者に注意喚起を呼びかけている。
ソーシャルメディアを利用する不正薬物販売者と未成年者とのやりとりには、特殊な絵文字が使われているという。
DEAでは、その絵文字のリストを共有し、保護者がメッセージの意味を理解して子供が薬物に手を出すのを未然に防ぐことができるようにしたい考えだ。
また、フェンタニル過剰摂取の場合に備えて、ナルカンの使い方も学んでほしいという。
フェンタニルは、主に麻酔や鎮痛、疼痛緩和の目的で利用される合成オピオイドで、処方箋があれば合法的に使用できる医薬品だ。
ヘロインの数十倍の作用があると言われ、覚醒剤やコカインなど他の不法薬物の中でも最も死亡率が高い。
フェンタニルを過剰摂取した場合には、ナロキソンと呼ばれる麻薬拮抗剤(薬品商品名:ナルカン Narcan)の投与が必要だ。
スプレーボトル状のナルカンは、フェンタミルを過剰摂取した患者の呼吸が1分間に10回以下で、唇が紫色、意識がない場合に鼻からスプレーする。
オアフ島内ではフェンタニルの過剰摂取が急増している。
10月4日から11日までの間に起こった4件の死亡(カイムキで1件、ハワイ・カイで1件、カリヒ・バレーで2件)は、フェンタニルの過剰摂取が原因とみられ捜査が行われている。
11日にカリヒ・ストリートの住宅で発見された遺体は60代男女のものだった。
不法薬物販売が行われていると見られている地区の担当官であるギャリー・ヤブタ氏は、「赤い危険信号が点っている状態だといえる。フェンタニルは、全ての人が注意すべき非常に危険なものだ。すぐに行動を起こす必要がある」と述べている。
当局はまた、販売者の特定を急いでいる。
ホノルル警察は、「FBIと協力し、フェンタニルが島内にどのように運ばれるかを捜査しており、販売者の逮捕および起訴を目指している。フェンタニルの丸薬や粉末と疑われるものには手を触れず、すぐに911通報してほしい」と述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.10.14)