「天国への階段」というニックネームで知られ、ウィンドワード山腹にあって非常に人気の高い(現在閉鎖されているためハイキングは違法となる)ハイク階段は、50年以上経過した金属製階段だ。元は第2次世界大戦中に無線電信装置のためにかけられた木製の階段を、1950年代に米国海軍が金属製のものに置き換えたものである。
その後、1975年には沿岸警備隊が引き継いで、記名と免責書類に署名することで一般にも公開されたが、1987年に何者かが階段の一部を破損したために、安全性の問題から法的に侵入禁止となっている。
しかし、禁止されているにもかかわらず、階段に登るハイカーは後を立たず、ホノルル水道局は年間25万ドルを支払って警護を依頼しており、2017年以降1万人以上が警備員によって追い返されているという。
昨年、市議会でハイク階段の撤去が可決され、リック・ブランジャルディ市長もその決議を支持していた。
市議会と市長は昨年9月、階段撤去費用として100万ドルを計上したが、実際の作業に向けての動きが始まっている中で、見積もり額が130万ドルであることが判明したとKHON2が伝えている。
エスター・キアアイナ市議会議員が中心となっているプロジェクトだが、撤去作業は2023年から開始されることになっているという。
ハイク階段の保存を支援する非営利団体「フレンズ・オブ・ハイク・ステアーズ」のショーン・ペイジャー氏は、「彼らがここでやろうとしていることを考えてください。この階段は築後80年経っており、全長2.2マイルの金属の上にボルトで2,300フィートの山の斜面に垂直に固定されています。これを撤去するのは容易なことではありません」と述べている。
この撤去作業にかかる費用については、一部の住民から懸念の声が上がっている。
「ホノルル高速鉄道建設で市民は多くの費用を負担させられています。今回の階段の撤去で、さらに負担が増えるのが心配です」とホノルル在住のアーネスト・シーさんが語っている。
「フレンズ・オブ・ハイク・ステアーズ」は、階段へのアクセスを限定して保存することを市に提案する予定だ。
「住宅地から十分に離れた場所に駐車場を確保しようとしています。住宅地に違法駐車したり、不法侵入などの迷惑行為が地域住民にとって非常に大きな問題であることは十分に理解しています」
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写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2022.4.14)