世界の揺らぎを多くの方々が感じられていると思います。平和は私たち人類が希求している重要なことですが、知性に裏打ちされた理性が先行しない限り維持できないのです。私たち人類はその2つを併せ持って生を受けたはずですが、暴走する力を抑制できないのでしょうか? 抑圧によって厳しい生活を強いられている方々も世界中におられます。ロシア侵攻によってウクライナの方々が非道な暴力に晒されている現状はその象徴なのでしょう。心を傷めておられる方が世界中に数限りなくおられると思います。私たちにできることを小さくても積み重ねて本来のヒトという種の優しさや思いやりを生きる糧にしてまいりましょう。日本と同じようにハワイに在住のロシアの方々もウクライナの方と同様等しく平和を求めておられると思いますので、出身国による差別は絶対に避けたいものです。
こうした不安定な世情では自律神経の乱れによる“何となく不調”を感じられる方もおられるでしょう。何となく不調は病院で検査などしても特段の異常が無いのに、自覚症状として身体のあちこちで不具合があることを指します。代表的な症例に更年期障害がありますが、眠れない、頭痛がする、首や肩が辛い、めまいなども含まれます。また、気力が無い、体力が無く横になっていたかったり、静かにしていても心臓がドキドキしたり、呼吸が苦しくなるなど数え上げたらキリが無くなります。こうした不調の原因に首の神経が不調になっていることが挙げられます。
“首は神経の交差点”と呼ばれ、姿勢が悪かったり、スマホの過剰な利用やデスクワークが多かったりする方には交差点に不具合が生じ、結果として全身症状に繋がるそうです。不調があれば、一度首の状態を診ていただくこともお薦めします。一時的には姿勢を正し、首を温めることや、遠赤外線治療も望ましいと思われます。自律神経は脊椎に守られた神経ケーブルの骨髄を通り全身の各器官と繋がっていますので、あまり知られていませんが、背骨の歪みが自律神経の乱れの原因となることもあります。
また、栄養状態も大きく影響します。タンパク質やビタミン・ミネラルのアンバランスな摂り方による不足が身体全体に影響します。また、体内の貯蔵鉄の不足による貧血(日本人は世界的にみても鉄不足だそうです)も原因の一つに挙げられます。因みに米国では鉄の食品への添加が義務付けられているので、ハワイでは問題ないでしょう。ストレスを強く感じる場合にはビタミンB群が消費されてしまいますので、積極的に摂りたいものです。但し、ビタミン類もミネラル類も私たちの身体の中では協働しますので、マルチタイプのサプリメントをご利用になるのもよいでしょう。
世界に平和が戻り心も身体も健やかに穏やかな春が訪れますように。
神楽坂発 お身体へのお便り No.104
安田祥子 Akiko Yasuda
株式会社jast代表取締役会長
統括メディカルアドバイザー、フリーライセンスドクター、「農林水産省 産学共同プロジェクト」メンバー
最愛の娘の突然の死をきっかけに、健康は当たり前のものではなく、自らの手で守り育むものと痛感し、分子生物学や医学などを学ぶ。2013年(株) jastを設立し家庭と医療機関を結ぶ架け橋としてのアドバイザー育成に取り組む。これまで200件以上のクライアント様の健康・医療・日常生活のご相談に応えるとともに、教育部門JAMAで主席講師を務め分子生物学の観点から細胞に働きかける栄養素や最新の遺伝子研究など多岐に渡る講義を行う。数多くの機関誌への執、講演会、セミナーなども行っている。
シェアする