非営利団体の「ハンガー・フリー・アメリカ(HFA)」による最近の調査では、2020年から2022年の間に、州全体で13万7000人が食糧不安のある世帯に住み、そのうち14.7%が子ども、8.3%が有職者、4.4%が高齢者であることがわかったとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
この調査は、ハワイ州に7つある地域密着型の補助栄養支援プログラム(SNAP)提供団体のひとつである「ハワイ・フードバンク」の傾向と一致している。同団体は過去2カ月間で毎月平均14万人にサービスを提供した。
HFAの調査は、全米で飢餓が深刻な問題になっていることを明らかにした。食料不安の増大は、他の生活費が上昇する中で、子ども税額控除の拡大など多くの連邦給付金の増額が終了したためであるとしている。
HFAのCEOであるジョエル・バーグ氏は、ニュースリリースにて、「過去数年間、連邦政府の効果的な公共政策は、米国の飢餓を食い止めるのに目を見張るほどの成功を収めたが、しかし、こうした政策の多くが撤回され、飢餓は再び急増している」と述べている。
ハワイ・フードバンクのエイミー・マーヴィン氏は、これらの連邦プログラムの終了は、食料価格の上昇やその他の要因と相まって、ハワイで食料不安が続く要因となるだろうと語っている。ハワイにおける飢餓救済の必要性は、コロナウィルスのパンデミック時にピークに達したが、当時ハワイ・フードバンクは毎月約17万5000人にサービスを提供していた。
また、HFAの調査によると、2018年にはSNAPの受給資格者の27%が受給しておらず、2021年には女性・乳幼児・子どものための特別補助栄養プログラム(WIC)の受給資格者の44%が受け取っていないことがわかった。さらに、2021年から2022年度に学校給食で昼食を受けた子どもの70%が、朝食を受け取っていないことも明らかになった。
今年の立法議会では、すべての公立学校の生徒に給食を提供する法案や、SNAPやDA BUX(SNAP受給者にハワイ産の農産物を50%割引で提供するプログラム)のような食糧プログラムへの資金をマッチングさせる法案など、食糧不安と闘う動きもあった。しかし、両法案は会期中に廃案となっている。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.12.29)