27日(水)夕方、ワイキキビーチの浅瀬で立ち往生している子クジラが発見され、海水浴客が騒然とする中、子クジラの背中に飛び乗る女性の姿が目撃されたとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、27日(水)午後4時ごろ、ザトウクジラの子が母親を連れず単体でフォート・デルーシー・ビーチパーク近くの浅瀬にいるという通報を受けた。目撃者によると、子クジラが最初に発見されたのはハレコア・リゾートの近くだったという。
100人ほどが集まり、クジラを海に押し戻そうとする人もいた。この騒ぎの中、目撃者によると、衝撃的で不穏な行動もカメラに収められたという。
カナダからの旅行者であるメリッサ・クラークさんによると、ある女性が子クジラの上に飛び乗ったという。「助けるどころか、彼女は水に入って背中に飛び乗り、苦しそうにしているクジラにしがみついた。ひどい状況をさらに複雑にしてしまった」
ミシガン州から来ていたメラニー・オブリカイトさんは、あたりが騒然とする中、女性に止めるよう何度も促したが、女性はやめなかったという。「聞こえなかったのか、それとも無視したのかはわからない」
オブリカイトさんはハワイ・マリーン・アニマル・レスポンスに通報した。海洋安全チームがジェットスキーで到着し、子クジラを沖へと誘導した。
NOAAによると、今回発見されたザトウクジラの幼体は体長約12フィート(約3.6メートル)、生後数週間で、まだ離乳していないという。
NOAAは、野生動物に近づかないよう呼びかけている。野生動物に接触した場合、罰則や罰金が科される可能性がある。NOAA太平洋諸島地域事務所保護資源部地域座礁コーディネーターのダイアナ・クレイマー氏は、「野生動物、特に座礁したり、母親とはぐれたり、けがをしたり、病気になったりしている動物に、それ以上ストレスを与えるべきではない」と語る。
たとえ助けたいという善意からくる行動だったとしても、訓練を受けていなければ、かえって野生動物にストレスを与えることになると、クレイマー氏は警告している。野生動物の救出や保護には、時間をかけず、適切な順序で手順を踏まなければならず、そのために人間ができる最も有効な行動は、動物から距離を取ることだという。
目撃者たちはNOAAの法執行機関に苦情を提出し、ビデオに映っている女性がその行為に対する処罰を受けることを望んでいる。クラークさんは、ハワイを訪れる旅行者のほとんどは島のことをよく知らないため、「また同じようなことが起こった時のために、旅行者に知識を広める機会があるといいと思う」と語った。
海洋生物の目撃情報や違反行為の報告は、メール[email protected]または電話888-256-9840から可能となっている。
シェアする
画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.12.29)