アメリカでは今、「シラフの1月(Dry January)」と呼ばれる公衆衛生キャンペーンが行われている。
これは、元日から31日間アルコールを飲まないよう呼びかけるキャンペーンだ。
1カ月間禁酒することでどのような利点があるのかをフォックス・ニュースが伝えている。
デニ・カリス医師は「アルコール依存の重症者でない人々にとっては、1カ月の禁酒は問題ありません。アルコール依存者で今まで大量に飲んでいる人が突然禁酒することは、深刻な健康上のリスクとなる可能性があるので注意が必要です」と述べている。
それでは、アルコール依存ではない人々にとって1カ月の禁酒はどうなのか?
まず、アルコールを購入するためのお金を節約することができる。
そして何より、不必要なカロリーを摂取することがないという利点だ。
缶ビール1缶では154カロリー、ワインはグラス1杯で123カロリーを摂取することになる。ジンやラム酒、ウォッカ、ウイスキーなど100カロリー以下の酒類もあるが、カクテルにするとあっという間にカロリーが増加する。
成人男性が必要なカロリーは2,400~3,000カロリー、成人女性では2,000~2,400カロリーと言われている(運動量など個人の生活様式によって差がある)。
また、禁酒することで消化システムが向上するとも言われている。
アルコールには利尿作用があるため、水分を意識的に補給しないと脱水症状を起こす。
アメリカ消化器学会は「大量のアルコール摂取は過敏性腸症候群を引き起こし、成人の胃腸症状を悪化させる危険性があり、腹部や胃の痛み、膨張感、腸内ガス、下痢、便秘、吐き気、胸焼け、消化不良を引き起こす」という研究結果を発表している。
また、アルコール摂取によって質の良い睡眠が阻害され、不眠症のような症状となるとも言われている。
禁酒によってより深い、安定した眠りが得られ、日中の活動が活発になるという。
精神面、感情面においても、1カ月間の禁酒で得られるものは大きく、自己管理の目安にもなるそうだ。
ダリル・アップルトン医師は「アルコールの摂取を控えることで、身体と脳を休ませることができ、体内のシステムにかかっていたストレスを軽減することによって休息と回復の時間を得ることができるのです」と述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.12.28)